米国バージニア州の金物店店員が、買い物に来ていたボーイスカウト団員とその父親をホモフォビックな言葉で罵り、出ていけと促したそうです。
詳細は以下。
wusa9.com | Hardware homophobia: Boy Scout kicked out of small town store
目撃者のカーリー・ハミルトン(Carly Hamilton)さんによれば、彼女が2018年5月18日に同州ラウドン郡パーセルビルのニコルズ金物店(Nichols Hardware)に買い物に行ったところ、カウンターのところにいた店員が少年に向かって突然「出ていけ。うちの店はおまえらみたいな、またはおまえらのものみたいな団体は支持しない」と大声で言ったのだそうです。その子はイーグルスカウト(ボーイスカウトの最高位)の活動のための資金集めをしていて、店員はこう続けたとのこと。
「冗談で言ってるんじゃないんだ。ぐるっと向きを変えて、出ていけ。おまえらの団体は支持しない。おまえらの団体はもうボーイスカウトなんかじゃない」
'I'm not kidding, you need to turn around and get out of here. We do not support your organization. Your organization is not the Boy Scouts anymore,'
少年の父親が割って入ると、店員はさらに「出ていけ」と連呼した後、こんなことを言ったんだそうです。
「うちの店はホモは支持しないんだ……ボーイスカウトは今じゃホモを認めてる」
'We don't support homos...They allow homos in the Boy Scouts now.'"
あきれた。米ボーイスカウト連盟は昔から同性愛者の入会を拒否し続けていて、さんざん批判されて最近ようやくそれを改めたばかりなのに、ホモフォビックな人はまだあきらめてなかったのか。このへんのいきさつについて、詳しくは以下のリンク先をどうぞ。
- 「ゲイをボーイスカウトに入れてあげて」8歳のカブスカウト、アメリカボーイスカウト連盟に手紙 - みやきち日記
- マドンナ、BSAのゲイ入会禁止をボーイスカウト姿で批判 - みやきち日記
- 「ボーイスカウトがゲイの入会禁止をやめなければジャンボリーに出演しない」米バンド「Train」が表明 - みやきち日記
- 「これまでもこれからもLGBTの味方です」カーリー・レイ・ジェプセンもボーイスカウトのジャンボリーを辞退 - みやきち日記
- 「うちは性的指向で差別しません」カナダ・スカウト連盟、カーリー・レイ・ジェプセンらをジャンボリーに招待 - みやきち日記
米ボーイスカウト連盟が「ゲイ少年の入会は認めるが、オープンリー・ゲイの成人がスカウト・リーダーになることは禁止する」と決定したのが2013年。ゲイの成人がスカウト・リーダーになることが認められたのは、2015年になってからです。
ちなみに同じ米国の団体でもガールスカウトにはアンチゲイな規則はなかったし、カナダのスカウト連盟(ボーイとガールの区別なし)はゲイの会員もボランティアもスタッフもすべて歓迎していました。米国のボーイスカウトだけが長らくゲイを排除し続けていて、ようやく改善されてきたところだったんです。それなのに、今度は何の罪もない団員がホモフォーブの憎悪のターゲットにされるとは。そもそもゲイを受け入れている団体(の成員)はお断りというなら、軍人がこの店で買い物するのもすべてダメなはずだけど、この店員の頭の中ではそこのところはどうなってるんでしょうかね。2011年の"Don't ask, don't tell"撤廃以降、屈強な軍人の客にも「出て行け」と怒鳴ってきたのか?
なお、ワシントンポストが5月20日に取材した時点では、同金物店の店主はこのボーイスカウト追い出し事件を「うわさ」と呼び、これが本当ならその店員は解雇すると話していたとのこと。果たして5月22日、同店はFacebookでこんな声明を出しています。
ニコルズ金物店のファミリーはこのようなことが起こったことを遺憾に思っております。問題の従業員は既に解雇されており、彼の意見はニコルズ金物店の意見を反映するものではありません。
The Nichols Hardware family regrets that this even has come to pass. The employee in question has been terminated and his views certainly do not reflect those of the Nichols Hardware.