オクラホマの54歳女性が、実の母親から同性同士の結婚式への出席を拒否されているゲイたちに「わたしが代理で出席します」と呼びかけ、話題を呼んでいます。
詳細は以下。
Oklahoma mother offers to be stand-in parent at gay weddings
この女性、サラ・カニンガム(Sara Cunningham)さんは牧師の資格を持っていて、息子さんはゲイなんだそうです。カニンガムさんは2018年7月20日、右手を挙げて立っている自分の写真にこんなコメントをつけてFacebookに投稿しました。
公共広告。実のママがあなたの同性同士の結婚式に出席してくれなくて、ママが必要なら、わたしを呼んで。わたしが式に出ます。あなたの一番のファンになります。(結婚式用の)シャボン玉だって持っていっちゃう。
PSA. If you need a mom to attend your same sex wedding because your biological mom won't. Call me. I'm there. I'll be your biggest fan. I'll even bring the bubbles.
写真はこんなです。
She once struggled to accept her gay son. Now she's leading the 'free mom hugs' movement. https://t.co/WDt1SDgxnE pic.twitter.com/tZOG8jOsYr
— Upworthy (@Upworthy) 2018年7月27日
カニンガムさんがこの投稿をしようと思いついたのは、自分が担当した女性同士の結婚式のリハーサルで、ひどい母親の話をいろいろ聞いてきたから。実の母親から、おまえが結婚式でキスするとき顔をそむけていたいから合図をよこせと言われた女性もいれば、そもそも母親が式に出席してくれないという女性もいたのだそうです。
とは言えカニンガムさんとて最初からゲイ・フレンドリーなお母さんだったわけではなく、息子さんからカミングアウトされたときには一時的なものだと思ったり、信仰をとるか息子をとるかで苦しんだりもしたのだそうです。そこを乗り越えて、カニンガムさんは非営利団体Free Mom Hugsを創設し、LGBTQコミュニティをサポートする活動をしているとのこと。
上記のFacebookポストは8000回以上シェアされ、カニンガムさんのもとには約100件ものプライベートなメッセージ(励ましの言葉や、自分のつらかった体験の話など)が寄せられたそうです。カニンガムさんが差し出し主の許可を得てTwitterで紹介しているものを、以下に貼りつけてみます。
Used with permission.
— Sara Cunningham (@MamaBearOk) 2018年7月29日
I am a puddle. pic.twitter.com/Y4dvUFkmQC
画像内の文章訳:
あなたのような母親にいてほしかったです。きっとよくそう言われていることと思います。わたしはずっと、母に自慢に思ってもらえるような子でありたいと思い続けてきました。母によれば、わたしは愛する人と結婚しようと決めたという理由で地獄行きになり、母の健康を損ない、自分の人生を台無しにし、人生最悪の決断をしたことになるのだそうです。ナイフで身を切られるようにつらい気持ちですが、あなたのような方々のおかげで、わたしたちみんなが希望を持つことができます。愛を広げてくれてありがとう。いつかあなたのような母親になりたいと思っています、死ぬまであなたに無条件の愛を注ぎます。
I wish I had a mother like you. I'm sure you hear that a lot. All I wanted my entire life was to make my mother proud. According to her, I'm going to Hell, ruining her health, ruining my life and making the worst decision to marry the one I love. Cuts like a knife but people like you give us all hope. Thank you for spreading love. One day I'll be a mother like you are to someone who I'll love unconditionally until I take my last breath.
カニンガムさんじゃなくても涙でぐしょぐしょになる("I'm a puddle")わ、こんなん。
こないだのトランス学生の葬儀費用を級友がクラウドファンディングで集めた話でも思ったけど、やっぱり性的マイノリティーにとっての最後の砦は"chosen family"だよねえ。余談ですけど自分が今回のカニンガムさんのFacebookポストを読んで真っ先に連想したのは、2015年の以下のニュースでした。根っこが同じだと思うのよ、このへんの話。
「感謝祭なのに居場所がない? うちにおいで!」とあるお母さんがよるべない子を助けるグループ創設 - 石壁に百合の花咲く
世の中、たとえ血を分けた我が子でもLGBT+だとわかったとたん、つまりその子の下半身が親たる自分が勝手に決め込んでいた通りにはできないとわかったとたんにどれだけでも冷酷になれる親は山ほどいます。でもその一方で、苦闘しながらも自分の子供を支えたり、こうやって見知らぬ子までファミリーとして助けようとしてくれる人たちもいる。がんばって後者が前者を上回るようにしていくしかないよね。