新学期が始まったばかりの米国コロラド州で、9歳の少年が自死。ゲイだということを学校でカミングアウトした後、クラスメイトから「死ね」と言っていじめられたのだと母親が話しています。
詳細は以下。
9-Year-Old Boy Who Came Out as Gay Died by Suicide | PEOPLE.com
9-year-old Jamel Myles who recently told his mom he was gay, took his own life just days after starting the 4th grade. Mom believes bullying was a factor in her son's death.
— HLN (@HLNTV) 2018年8月29日
More from @MikeGalanosHLN -- Mom: "My son was magic": https://t.co/dOwvDT4dNh pic.twitter.com/r0BPT0Wxa8
亡くなったジャメル・マイルズ(Jamel Myles)くんの母親レイア・ピアース(Leia Pierce)さんによると、ジャメルくんはこの夏、車に乗っているときに、レイアさんに「ママ、ぼくはゲイだよ」とカミングアウトしていたんだそうです。とても不安そうだった彼に、レイアさんは「ママは今まで通りあなたが大好きだよ」と伝えました。ジャメルくんは、本当は女の子の服が好きだということや、自分のことを誇りに思っているから、学校でみんなに自分はゲイだと話すつもりだということなどを話してくれたとのこと。
そして2018年8月20日、彼の通っていたジョー・シューメイカー(Joe Shoemaker)小学校は新学期を迎えました。その4日後、ジャメルくんは命を絶ちました。検視官は彼の死を自死と判断しています。状況を検分したデンバー署も、「現時点では事件性は見当たらない」としているとのこと。
レイアさんによれば、彼は亡くなる前、いちばん上のお姉さんに、学校の子たちに自殺しろと言われたと話していたのだそうです。以下、CNNより引用。
「去年ジャメルをいじめたのと同じ子たちが、ジャメルがカミングアウトしてぼくはゲイだと言ったとたん、いっそう意地悪になったんです」とレイア・ピアースは話した。「彼らがうちの子を苦しめたんです」
"The same kids who picked on him last year were even meaner to him once he came out and said he was gay," said Leia Pierce, Jamel Myles' mother. "They hurt my baby."
たぶんこういうニュースに接して「わざわざそんなことを学校で言うからいじめられるんだ」みたいなことを言う人もいるんじゃないでしょうか。しかし、そういった意見は結局「同性愛者はいじめられて当然である」というメッセージとして機能し、いじめを助長するだけだと思います。「誰が相手であろうといじめは許されない」、「いじめられたときに助けを求める先はここだ」というふたつのメッセージを、大人がこれでもかというほど発信していかなければ、こういった事件はいつまでも起こり続けることでしょうよ。
日本語圏でジェンダーや性的指向のことで悩んでいる人、そしてそのまわりの人が困ったときのための電話相談窓口、情報リソース、自助・支援団体、おすすめ書籍などをまとめた資料を以下に掲載しておきます。
資料
LGBT当事者、「当事者かも?」と思っている人、そのまわりの人のための電話相談
- 統合ヘルプ・ライン・サービス(運営:NPO法人アカー)
- ・電話相談(第1月曜夜)(運営:QWRC【LGBTと女性のためのリソースセンター@大阪】)
- レインボー・ホットライン(運営:特定非営利活動法人PROUD LIFE)
- AGP(同性愛者医療・福祉・教育・カウンセリング専門家会議)電話相談「こころの相談」
- SHIP・ほっとライン(運営: 特定非営利活動法人 SHIP)
- フレンズライン(運営:FRENS(Fukuoka Rainbow Educational NetworkS))
- にじいろホットライン(運営:一般社団法人富田林市人権教育・啓発推進センター)
- 北東北 性と人権相談(運営:北東北性教育研修セミナー実行委員会
- coLLabo LINE (運営:レインボーコミュニティcoLLabo[コラボ])
LGBT関連情報のWebサイト
LGBTの団体・センター・イベントなど
- LOUD
- 国際基督教大学ジェンダー研究センター
- NPO法人SHIPにじいろキャビン
- QWRC【LGBTと女性のためのリソースセンター@大阪】
- えひめLGBTセンター虹力(にじから)スペース
- じぶんカフェ(札幌・函館で開催しているLGBTミックスカフェイベント)
- スクランブルエッグ – 青森県で活動するセクシュアルマイノリティ・ボランティアサークル
- ESTO (性と人権ネットワークESTO)
- Queer&Ally LGBTs/性的マイノリティ/Ally/交流会(東京・千葉)/講演
- 特定非営利活動法人PROUD LIFE
- レインボー金沢
- 淀川区LGBT支援事業ホームページ
- プラウド香川 Proud Kagawa
- プラウド岡山 - プラウド岡山
- 虹色らくだ - ホーム | Facebook
- FRENS(Fukuoka Rainbow Educational NetworkS)
- Take it!虹
- ともに拓くLGBTQ +の会くまもと (旧 ともに拓くLGBTIQの会くまもと)
- ピアフレンズ
- (一社)広島県セクシュアルマイノリティ協会|かもカフェ:kamocafe|
おすすめ書籍
『図解雑学 ジェンダー』
- 作者: 加藤秀一,海老原暁子,石田仁
- 出版社/メーカー: ナツメ社
- 発売日: 2005/03/01
- メディア: 単行本
- 購入: 7人 クリック: 137回
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13歳から知っておきたいLGBT+
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- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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「L」「G」「B」「T」の4つのラベルだけにとどまらない、性のスペクトラムの中のさまざまなアイデンティティについて詳しく解説してくれる本。体験談や具体例が豊富で、「自分の居場所を探す人、誰かの居場所をつくりたい人」(p. 7)のためのロードマップとして最適。
『先生と親のためのLGBTガイド もしあなたがカミングアウトされたなら』
先生と親のための LGBTガイド: もしあなたがカミングアウトされたなら
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子供と接する大人に知っておいてほしいLGBTについての知識をQ&A形式でまとめた本。子供たちの悩みや、それに対する対応の仕方などの説明が詳しいです。上記のLGBT団体や電話相談窓口などの情報は、この本で紹介されているものを中心にまとめています。