Bryan Singer & Jennifer Lawrence / Gage Skidmore
映画『ボヘミアン・ラプソディ』の監督、ブライアン・シンガー(Bryan Singer)がまたもや未成年に対する性的暴行で訴えられました。アンソニー・ラップ(Anthony Rapp)がTwitterで辛辣なコメントを見せています。
まず、新たに浮上した性的暴行疑惑についてはこちら。
手っ取り早く説明すると、今回の嫌疑は、シンガーが監督作『ゴールデンボーイ』(1998)の撮影現場に来ていたエキストラの13歳少年などに性暴力をふるったというものです。上記は日本語記事なんで、詳しくはリンク先をどうぞ。
シンガーが未成年者への性的暴行疑惑をかけられたのは、これで三度目。しかしながら、ミレニアム・フィルム(Millennium Films)は彼をリブート版『レッドソニア』の監督から降ろしはしないと発表しています。
More than 24 hours after 'The Atlantic's' bombshell exposé about Bryan Singer and underage boys, Millennium Films has weighed in on the director’s fate with regards to its reboot of the film 'Red Sonja.' pic.twitter.com/SPcUUKRKSZ
— Hollywood Reporter (@THR) 2019年1月25日
これを受け、米国の俳優で、14歳のときにケヴィン・スペイシー(Kevin Spacey)から受けた性被害について2017年に公表したアンソニー・ラップ(Anthony Rapp)は、Twitterで以下のように発言しました。
Any actor who agrees to work on this film is complicit in keeping a predator in power and will be put on blast. pic.twitter.com/lIvHVDo6s5
— Anthony Rapp (@albinokid) 2019年1月25日
訳:
この映画の仕事をすることに同意する役者は皆、他人を食い物にする人の権力を維持するという点において共犯で、恥をかくことになるだろう。
Any actor who agrees to work on this film is complicit in keeping a predator in power and will be put on blast.
ここから始まる一連のツイートで、ラップはこんなことを言っています。
- 自分は特に、役を選んでも家賃の支払いを心配しなくて済む立場にある役者について言っている。
- 『ボヘミアン・ラプソディ』のネガティブキャンペーン(stain campaign)をするつもりはない。シンガーが撮影終了の3か月前に解雇されたというのは「十分早かった」とは言い難いけれど。
- 自分は次回作の話をしている。シンガーの性的暴行疑惑が主要紙に掲載されている今、もはや誰も「知らなかった」と主張することはできない。
- (『有罪と証明されるまでは無罪なのでは』と聞いてきたTwitterユーザに対して)自分にはシンガーのふるまいを何年も目撃してきた友人(複数)がいる。
そうは言ってもオトコ社会は全力でブライアン・シンガーをかばって告発者やアンソニー・ラップを叩く(『推定無罪』をもっぱら性犯罪で告発された側にだけ適用し、告発した側のことは最初から全力で『嘘つき』『売名行為』と決めつけて叩くのがオトコ社会のやり方ってやつよ)んだろうけど、どうなるんでしょうね、『レッド・ソニア』。あの話の女主人公、レイプのサバイバーだったはずなんだけど。
ちなみにGLAADは、今回の告発を理由として、『ボヘミアン・ラプソディ』をGLAADメディア賞のノミネーションから外すと発表しています。まあ『ボヘミアン(略)』はアカデミー賞でももらって喜んどけばいいんじゃないの。1955年にジュディ・ガーランド(Judy Garland )に主演女優賞を出さなかったアカデミー賞なら、今回も平気で(そう、『アリー/スター誕生』をさしおいて)『ボヘミアン(略)』を作品賞に選んでも全然おかしくないと思いますし。