アイルランド共和国で、ゲイ向け出会いアプリGrindrでやりとりした相手と待ち合わせていた50代男性が、少なくとも4人の若者に襲われてけがをしました。若者らはハンマーなどの凶器を用意しており、被害者を「オ〇マ野郎」(“f****t”)と呼んで嘲笑したとのこと。
詳細は以下。
マーク・パワー(Marc Power)氏は2019年10月15日、アイルランド・ダブリンの映画館ODEON Coolockの外で、Grindrで知り合った相手と落ち合う予定でした。ところが夜10時半ごろ、車の中で待っていた彼を、若者らのグループが襲撃。襲撃者らは車のドアを開け、パワー氏にパンチを食らわせて外に引きずり出そうとしたんだそうです。
若者らは持参した凶器で車のフロントガラスをたたき割り、パワー氏のことを「オ〇マ野郎("f****t")」、「変態("pervert")」などと呼んでゲラゲラ笑っていたとのこと。パワー氏はハンマーで頭を狙われて「殺される」と確信し、車の中から若者らを蹴って抵抗しつつも「ひとりが反対側のドアを開けて入って来たらどうしよう」と恐怖を感じたそうです。
その後パワー氏は車のホーンを鳴らして助けを求め、幸いにも通行人が事件に気づいて、ならず者たちは逃げて行ったとのこと。
事件後のパワー氏の写真はこちら。
Marc, from Dublin, was left fearing for his life after the brutal homophobic attack, which he believes was premeditated.
— UNILAD (@UNILAD) 2019年10月18日
すごく怖いのはこの事件の直前に、待ち合わせ相手からパワー氏のもとに「映画館ではなく近くの公園(注:薄暗い)で待ち合わせたい」というメッセージが入っていたということ。その申し出を断って当初の予定通りの駐車場に車を停めたら、その数分後に加害者らが現れたんだそうです。もし公園に行っていたら、通行人に見つけてもらえるチャンスが減って、もっと危険な目に遭っていたのでは?
ちなみに同じダブリンでは、9月26日に25歳のゲイ男性グレアム・ハリー(Graham Halley)氏が6人の男に後をつけられ、傘で頭を殴られて流血のけがをするという事件も起こっています。
Dublin: Homophobic Attack On Gay Man, Graham Halley https://t.co/rjdlKkadj7 pic.twitter.com/Uvwf364oey
— EILE Magazine (@EILEMagazine) 2019年10月15日
アイルランドって国民投票によって同性婚を認めた*1という世界でも珍しい国ですけど、それでもなお、世にホモフォーブの種は尽きまじってことですね。くわばらくわばら。
*1:でもマイノリティの人権を認めるかどうかを多数決で決めるというのは本来やっちゃいけないことなので、これについてはあまり褒められたもんでもないと思います。