2020年6月2日、米NYのストーンウォール・インの外で黒人への暴力に抗議する平和的デモに参加していた人々を警察が殴打し、骨折などのけがをさせたと報じられています。他の州でも警官がクィア・バーの店主に向かって発砲したり、ゲイバーを強制捜査したりしているとのこと。
詳細は以下。
まず、ニューヨークの写真がこちら。
My friend @mynameisjro was arrested the same night I was. He pleaded for medical attention and was denied. He has 6 staples in his head and a broken arm because the NYPD arrested him for linking arms and peacefully protesting. pic.twitter.com/WkNGh2UqhQ
— Marti Gould Cummings (@MartiGCummings) June 5, 2020
米国では現在、白人警察官による黒人男性ジョージ・フロイド氏暴行死事件を受け、全国で黒人差別への抗議運動が展開されているところ。そして2020年6月2日、NYのストーンウォール・インの外では、クィアな活動家らが黒人のトランスジェンダーの人々への暴力に抗議する平和的デモを開いていました。しかしながらこのデモの直後、ニューヨーク市警の警官らが参加者らを警棒や拳で殴って逮捕したんだそうです。上記ツイートの写真のJason Rosenberg(@mynameisjro)さんは警官の暴力により頭を6針縫うけがをし、腕の骨も折られたとのこと。
ところ変わってノースカロライナ州ローリーでも5月30日、デモ参加者に水などを配っていたクィア・バーの店主が、警官から閃光弾や「非致死性の」弾丸を撃たれて攻撃されています。動画はこちら。
RALEIGH POLICE JUST FIRED FLASH BANGS AND LESS LETHAL ROUNDS AT MEDICS, INCLUDING THE OWNER OF RUBY’S DELUXE, A QUEER BAR WHERE THE MEDICS WERE STATIONED. pic.twitter.com/sGckVjRC1e
— inside agitator ☭ (@bennykoval) June 1, 2020
あ、上で「非致死性の」とかぎかっこをつけたのは、実際にはこれらの兵器で攻撃された人が死ぬ可能性もあるからですよ念のため。詳しくはこのへんをどうぞ。
アイオワ州デモインでも、6月1日にこれらと似たような事件が起こっています。ゲイバーの従業員がデモ参加者にファーストエイドを提供していたところ、警察がこのバーを強制捜査し、中にいた人々を銃で脅して、3人が逮捕されたんです。映像はこちら。
Here's a clearer edit of the video showing the @DMPolice raid of the Blazing Saddle in Des Moines on Monday night. pic.twitter.com/ONXRNnXoC1
— Aᴀʀᴏɴ Cᴀʟᴠɪɴ (@aaronpcalvin) June 5, 2020
時計の針が半世紀戻っちゃったみたいだ。2017年のウイメンズマーチのとき、サフラジェットの扮装をした女性らが「世紀が変わっても状況は同じ(“Same shit, different century”)」と訴えたり、高齢女性が「今なおこんなクソッタレなことに抗議しなくちゃならないだなんて信じられない(“I can’t believe I still have to protest this fucking shit.”)」という看板を掲げていたりしましたが、LGBTQ+ライツに関しても状況は似たようなものなんじゃないかと思います。
さて、日本ではこうした映像を見ても反射的に警察をかばい、「殴られた人は何か悪いことをしたんだろう」とか、「これは役者によるやらせで、分断を謀る何者かによる陰謀」などと唱え始める人が少なくないと思います。そこで、GitHubを使って集積されている、ジョージ・フロイド事件へのプロテストで警察がふるった暴力のエビデンス集へのリンクを以下に貼っておきますね。数百件にもおよぶこれらの動画・報道記事のすべてに、プロテスターがしたとかいう「悪いこと」だの、「やらせ」だののエビデンスを見つけられるもんならやってみな。
あと、FBIが「暴力を煽動している人を特定するため証拠を送って」と呼びかけたら、警察による暴力の証拠がガンガン集まっちゃったっていう話も置いておきますね。無駄だとは思うけど。