ヒューマン・ライツ・ウォッチ（HRW）が、エジプトの警察がGrindrなどの出会いアプリを悪用して性的少数者を罠にかけ、投獄したり暴力をふるったりしていると報告しています。
詳細は以下。
上記記事によると、エジプト警察はソーシャルネットワークやアプリを使ったおとり捜査でLGBT+の人々を逮捕しているとのこと。さらには、拘留を正当化するために、逮捕した人の電話番号をこれらのアプリに登録するという違法行為もしているのだそうです。
被害者のひとり、ヤセル氏（27歳）はHRWに対し、Grindrで知り合った相手に会いに行った直後に逮捕されたと話しています。知り合った相手は実は警官によるなりすましで、ヤセル氏は逮捕されたのち「わたしは不自然な性欲を満たすために放蕩を実践し、それを公然と発表していました」と書かれた書類にサインするまで罵倒されたり殴られたりしたとのこと。ちなみにこのような目に遭ったのはヤセル氏だけではなく、HRWと話した15人もの人々が当局から身体的な暴力やことばの暴力を受けたと言っていて、うち8人は性暴力を受けたと述べているのだそうです。
性的少数者に対して、「おおっぴらにせずに私的な領域でやるんだったら好きなようにすればいい（だが公的な場には出てくるな）」みたいな主張をする人というのがよくいます。でも、たとえ私的領域でマイノリティどうしで楽しもうとしていたところで、こうやっていちいち加害しに乗り込んでくるのがマジョリティというもの。これは別にエジプトだけの、または官憲だけの話ではなく、現にここ日本でも同性愛者でもないのに同性愛者になりすまして出会いサイトや出会いアプリにもぐりこみ、侮辱や差別*1にいそしむ馬鹿というのは昔からいくらでもいます。そんなわけでどこにいようと差別はロードローラーのようにこちらを潰しに来るんだから、「勝手にレッドライン引いて『おまえの居場所はここ』とか指図すんじゃねえ、どこにいようと殺すな殴るな差別すな」と言い続けるしかないとあたしは思ってます。
*1:たぶんやってる当人たちは侮辱だとも差別だとも思ってないだろうと思いますが。
