石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

公園からプライド・フラッグ消える 当日ナショナリスト団体がデモ アルゼンチン・コルドバ

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2020年9月27日、アルゼンチンの公園に市が飾っていたレインボー・フラッグが忽然と消失しました。当日同公園でデモをしていたナショナリスト団体は関与を否定。この公園では、6月にもナショナリストらが旗を下ろそうとするなどの事件が起こっていました。

詳細は以下。

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一連の事件が起こったのは、アルゼンチン中部の都市コルドバにあるサルミエント公園(Parque Sarmiento)。マルティン・シャルジョーラ(Martín Llaryora)市長は、6月のプライド月間に同公園の最も高い旗竿にプライド・フラッグを飾り、この旗は「より包括的で、平等で、違いを尊重する社会を築くという固い決意のもと」、「常にもっとも高いところに」かかげておくと記したプレートを設置していました。

プレートの映像はこちら。

すると6月27日、退役軍人らが「愛国心」を理由にこの旗を撤去しようとしました。動画はこちら。

このときは当局と通行人によって止められたんだそうですが、彼らは翌日仲間を連れてまた戻ってきて、上記のプレートをバッキバキに割ってしまいました

上記動画でプレートの破片をカメラに向かって得意そうにかかげている人の言い分がまたひどい。「(LGBTQの)Qは堕落者、動物性愛者、死体性愛者、小児性愛者の意味だ」だって。そんな意味ではまったくないし、頭文字すら一個も合ってないぞ。

これらの事件の後も市当局は公園にLGBTIQ+の旗を飾り続け、少なくとも9月27日の日曜日が来るまではそのままだったのだそうです。この日、同公園ではナショナリスト団体「Frente Patriótico Federal」が、マルティン・シャルジョーラ市長は「LGBT団体の一部」だとして、プライド・フラッグの設置について公式謝罪を求めるデモを開催。そして不思議なことに、デモの最中に旗が消えてなくなったんですってよ。旗が固定されていたはずのロープには、「あたかも何者かが切り取ったかのような」切れ端しか残っていなかったそうです。

「Frente Patriótico Federal」の代表者は同団体の事件への関与を否定しており、アルゼンチン当局はまだ犯人を特定していないとのこと。

アルゼンチンって、1969年にラテンアメリカで初めて同性愛者の人権を擁護する団体が作られたところですよ。同国はまた、ラテンアメリカで一番最初に同性婚を成立させた(2010年)国でもあります。それでもまだこんなもん。ため息。