石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ホモフォビックな暴力で11歳がけが スペイン・ムルシア

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スペイン南東部の自治州ムルシアで2020年11月2日、11歳の少年がクラスメイトからホモフォビックな暴力をふるわれ、手術が必要なけがをしました。家族の話では、加害者は以前からこの少年に嫌がらせをしていたとのこと。

詳細は以下。

www.dosmanzanas.com

事件は被害者の少年が同州カルタヘナのイサーク・ペラル中等学校(Instituto de Enseñanza Secundaria Isaac Peral)から下校しようとしていたときに起こりました。被害者の姉、 Gissel Sánchezさんの説明によれば、以前から何度も被害者を「ホモ野郎(maricón)」などと呼んで侮辱していた加害者が、後ろから少年のバッグをつかんで拳で殴りつけ、失神させたのとの由。他の目撃者は、加害者は母親が事態に気づいて近づいてくるまで被害者を殴打し続けていたと説明しています。

ムルシアのTV局、7TVの報道では、事件現場の歩道に飛び散った血痕のようすを見ることができます。襲われた少年は殴打による鼻中隔のけがで正常な呼吸ができなくなり、緊急入院して手術を受けることになりました。そして殴った生徒は、15日の停学に。

被害者少年の家族は11月4日、この暴行が性的指向を理由とするものだった可能性があると書かれた告訴状をカルタヘナ署に提出しています。なお少年の母親は、加害少年は息子をいつも同性愛者に対する侮辱語で呼び、Instagramでも息子のアカウントを探して「くたばれホモ」というメッセージを送り付けていたと言っているとのこと。7TVによれば、学校は今回の事件の前からホモフォビックな侮辱があったと認めているものの、自治州の教育監督局(la inspección educativa de la comunidad autónoma)は、生徒・その家族・学校のいずれからの苦情も「認識していない(no le consta)」としているのだそうです。

ちなみに同じカルタヘナでは今年10月末、「Bar Quinque」というバルでボーイフレンドと朝食をとっていた21歳の男性が、店主から「子供の前でキスしないでほしい」「不適切だ」などと言われて追い出されてしまったとソーシャルメディアで訴え、大きな話題になったばかり。

www.elperiodico.com

結局、大人が作った社会にホモフォビアが蔓延しているから、子供もそれに乗っかってヘイトクライムを起こすということなのでは。殴られた少年の心と体の傷が早く癒え、周囲の大人たちが事件の再発防止に真摯に取り組むよう願ってやみません。