スペイン北西部のバリャドリード県近所に住むゲイ男性に「クソホモ野郎」「精神病院に入れ」などと暴言を浴びせたとして、女ふたりが有罪判決を受けました。このふたりは親子で、娘（46）には懲役1年と罰金960ユーロ、母親（74)には懲役8か月と罰金840ユーロが言い渡されたとのこと。
詳細は以下。
この事件が起こったのは2021年10月5日のこと。この母子、アントニア（Antonia）とモンセラット（Montserrat）は、被害者が女友達と歩いているところを偶然見かけて「クソホモ野郎（maricón）」と叫び、さらにこんなことを言ったのだそうです。
「このクソホモ、おまえは病気で精神病院にいるべきだろ、クソホモどもはみんなそうだ。とっとと帰って親父とヤってろ、てめえらは閉じ込められてるべきなんだ」
“¡Maricón de mierda, estás enfermo y tenías que estar en un manicomio como todos los maricones, vete para casa a dar por culo a tu padre que teníais que estar encerrados!”
なお、この母子は以前からこのゲイ男性と顔見知りで、この事件の前にも彼に唾を吐きかけたりホモフォビックな侮辱をぶつけたりしていたとの由。アントニアの弁護士はこれらの行動は軽犯罪の枠を超えないと主張しましたが、裁判官はアントニアらのしたことが単なる意見の表現にとどまらず、同性愛者コミュニティ全体の人間としての尊厳を軽んじることを目的とした行動であったとみなし、この判決を言い渡したとのことです。
そうは言っても刑期が2年未満であるため、このふたりが実際に刑務所送りになるかどうかは、前科の有無と再犯可能性をもとに裁判官が判断するということになるみたい。だからまあ、罰金払って終わりなのかも知れないけど――それでも、ゲイやゲイコミュニティに対する侮辱がはっきりと犯罪だと言い渡されるのって、見てて新鮮だわ……。いやもう日本語圏のネットでは息をするように侮辱されまくってるじゃん、あたしら。それでいて、侮辱した側が法的なおとがめを受けることってまずないじゃん。そんなのばっかり見てると、うっかりその状況に慣れてしまいそうになるけど、慣れてる場合じゃねえなと改めて思いましたよ。
