刑法で同性愛は懲役刑もありうる犯罪とされていたブータンで、議会が同性愛の非犯罪化を可決しました。
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ざっとまとめると、ブータンではこれまで刑法213条で「ソドミーや、その他自然の秩序に反する性的行為をした者は不自然な性行為で有罪とする」、214条で「不自然な性行為は軽犯罪とする」と定められていたんだそうです。これにより、同国では同性愛行為は最大で懲役1年の刑となる可能性がある犯罪行為となっていました。ただ、これらに基づいた起訴は非常に稀だった模様。同国の刑法改正案(2019)の審議の際、Lyonpo Namgay Tshering財務相がこれらの条項は2004年以来「一度も用いられたことがない」として撤回を提案し、2020年12月3日、議会は69人中63人の賛成(棄権6人)でこれを可決したのだそうです。
日本のメディアが呑気にブータンを「世界一幸せな国」とかなんとか報じるたびに「でも同性愛は犯罪で、最悪刑務所行きなんでしょ」と思っていた身としては、これは朗報。 Escandalaによると、これまで法改正の運動をしてきたブータン人活動家のTashi Tsheten氏は、これで長い間スティグマや差別の犠牲となってきたブータンのLGBT+コミュニティが、より良い、より尊厳ある生活を送れるようになるだろうと話しているそうです。ということは、たとえ実際に起訴されることはなかったとしても、やはり性的少数者にとって同国は「世界一幸せな国」ではなかったみたい。一歩前進して、まずはよかった。