石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

トランス女性にアシッドアタック メキシコ・グアダラハラ

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2021年10月29日、メキシコ・ハリスコ州グアダラハラで道を歩いていたトランス女性がアシッドアタックに遭い、体の60%にやけどを負いました。しかも一軒目の病院で治療拒否され、別の病院を探さねばならなかったとのこと。

詳細は以下。

escandala.com

被害者女性は事件当時、繁華街で友人と歩いていたところを男に引き留められ、少しの時間言葉を交わしたとのこと。男はその後一旦数メートル離れてからまた近づいてきて、腐食性の液体を彼女にかけたんだそうです。

これにより腕、顔、胸、脚などに化学やけどを負った被害者は、キリスト教系の病院、サンティシマ・トリニダード病院(Hospital de La Santísima Trinidad)に駆け込みました。が、同病院は治療を拒否。理由は「身元証明書の不備」だそうな。ちなみにその後別の病院を探して手当てを受けたところ、やけどの深さはⅢ度だったそうです。皮下組織までダメージ行ってるレベルじゃんよ。体の6割にそんなけがをした人の治療を拒否って、いったい。

なお、加害者の詳細は現時点では不明で、ハリスコ州検事局が捜査を開始しているとのこと。

最近は日本でもトランスフォビアが猛威をふるっていて、「トランスの権利を認めればムキムキマッチョの男が女子トイレに入ってきてシス女性が危険」のような真っ赤な嘘を一生懸命喧伝している人が増えましたが、SNSの流言飛語を鵜呑みにする前にニュースや警察の発表ぐらい見てほしいもんだと思います。この事件みたいな「シス(または少なくともシスだと思われる人)」「トランス」加害した事件は山ほど見つかるのに、その逆はほとんどないから。この構造って、ヘテロご一同様が、ヘテロ(または少なくともヘテロを自認していて、ゲイが排除される場所にも入れる人)たちが現実に引き起こしまくっている児童性虐待事件には何十年も見て見ぬふりをしてきた*1一方で、「ゲイは子供を性的に狙っている」というデマ*2は鵜呑みにしてせっせとゲイの権利に反対してきた*3のと同じだから余計に腹立つわ。だれがだれを危険な目に遭わせているのか、事実ベースで現状把握した方がいいよ、何事も。