シンガポールの大手ストリーミングサービス「iQiyi」が、LGBTQ+に関する描写を含むTVシリーズの多くを削除。同国では今年8月、政府が、LGBTQ+コンテンツに対する規制を倍増させると発表したばかりです。
詳細は以下。
iQiyiは月間アクティブユーザー数約5億人を誇るストリーミングサービスで、今回削除されたのはタイのボーイズラブドラマ「KinnPorsche」「Until We Meet Again」など10本。同社は、この削除は情報通信メディア開発庁(IMDA)のR21コンテンツに関する指導によるもので、一時的な措置だと説明しているんだそうです。でも、そこで単純に「なあんだ一時的なのか」とも言っていられないのは、8月にこんなニュースがあったから。
早い話がシンガポール、(ようやく)植民地時代の刑法を改正して男性同士の性交渉を非犯罪化する一方で、LGBTQ+コンテンツに対する規制は強化していく方針らしいんですね。同国の情報通信省(MCI)は、規制によって「若い視聴者を年齢にそぐわないコンテンツから守る」と主張してるんだそうですが、上記リンク先によればその「年齢にそぐわない」の基準って、
- 映画『ライトイヤー』は同性同士のキスが1回でてくるので16歳未満視聴不可
- 同性婚の明白な描写はより高いレイティングにするべき
……みたいなやつですよ。iQiyiは今後のアップデートで「特定のタイトルにPINコードを要求するなど、より厳格なアクセスコントロール」を実装していくとも言ってるんだそうで、ということは、今見られなくなってる作品が配信再開されたところで、「LGBTQ+コンテンツ=子供に見せてはいけないもの」という社会的スティグマはむしろ強化されていくんでは。
こういうの、シンガポールだけでもありませんけどね。エジプトなんか、Netlixとディズニー+に対してLGBTの「不快な」コンテンツを引っ込めろと要求してますし。
宗教と政治がひっついている限り、こういうのはいつまででも続くんだろうなあ。うんざり。