石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

学校がLGBT生徒支援→寄付金失い閉校に 米ミズーリ州

米ドル紙幣

Cierran escuela cristiana tras perder donaciones porque apoyaría a estudiantes LGBT

米国ミズーリ州のキリスト教系私立学校が、LGBTの生徒を支援しているという理由で宗教方面からの寄付金を失い、閉鎖の運びとなりました。この学校は、セクシュアリティの疑問に悩む青少年の自殺率が高いことから、こうした学生たちに安全だと感じてもらおうとして支援を公表していたとのこと。しかし、その取り組みは(元)寄付者の皆さまのお気には召さなかったようです。

この学校、アーバン・クリスチャン・アカデミー(Urban Christian Academy)は、前々から「イエスに従うことで扉を開き、テーブルに場所をつくる」のようなマイルドな表現で包摂のメッセージを発信していたところ。しかしながら昨年、学校のWebサイトにもう一歩踏み込んだ以下のような文章を掲載したことが、タニマチたる教会関係者たちの逆鱗に触れたんだそうです。(上に貼ったニュースサイトはスペイン語ですが、重訳になってもいかんので、以下ABC Newsから英文を引いて私訳します)

「ここは肯定的な学校です。当校はLGBTQIA+の人びとを支援し、彼らの聖性を信じています。神による、さまざまで美しいあらゆる創造の多様さを賛美します」

"We are an affirming school. We stand with the LGBTQIA+ community and believe in their holiness. We celebrate the diversity of God's creation in all its varied and beautiful forms."

学校としてはこのようなメッセージが寄付者からの反発を招くことは想定の範囲内で、資金の50%減少を見込んで調整をしていたとのこと。ところが実際には80%もの資金減となってしまい、結果として同校は今年度末で閉鎖されることになったのだそうです。

ABC Newsでは、寄付を打ち切った教会や個人から同校に寄せられた手紙のいくつかが紹介されています。気が滅入るからここでは逐一訳しませんが、同性パートナーシップ制度や同性婚に反対するため統一教会が撒いてる怪文書と変わらない内容だと思っていただければ、ほぼ間違いないかと。性的少数者の子どもたちを守ろうとする学校がひとつ減るのは残念だけど、アーバン・クリスチャン・アカデミーが、こうした宗教がらみのカネ欲しさで率先して差別に加担する学校じゃなかったのはよかったなと思います。こどもの命より宗教マネーの方が大事だと考える人や組織は、もうすでに世の中にあふれすぎてるから。