石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

サスペンスも百合恋愛も極上―『オーファン・ブラック 暴走遺伝子』シーズン1感想

オーファン・ブラック~暴走遺伝子 DVD-BOX

コシマの恋をぜひ見てほしい

『オーファン・ブラック 暴走遺伝子』は、カナダとアメリカのTV局の合同製作によるサスペンスフルなSFドラマ。日本でも放送されています。メインキャラのひとり「コシマ」がレズビアンなのですが、このコシマの恋の描き方がとてもよかったです。

何がいいって、和製百合作品によくある「女同士なんて変だよね……?」「告白したらこの恋は終わり……!」みたいな手垢のついたホモフォビアや、「偏見を乗り越える恋こそ美しい!」とかいう「キラキラ差別」的な視点がまっっったくないところ。「女性が女性を好きになること」がごく当たり前のこととして受け止められていて、その上でちゃんと愛も葛藤もサスペンスもあるドラマに仕上がっているんです。

ネタバレ防止のためストーリーの細部に言及することは避けますが、コシマとそのお相手「デルフィーヌ」のファンビデオをいくつか貼っておきます。

上の動画を観るとわかりやすいんだけど、細かい部分のレズビアンっぽさも心憎いんですよねー、この作品。コシマの黒いセルフレームの眼鏡とか、デルフィーヌのタンクトップ姿とか、びっくりするほどレズビアン・テイストなんだもん。どう見ても「ノンケを喜ばせるためのレズビアン像」ではなく「レズビアンから見てイケてるレズビアン像」を狙っての描写だと思います。あとねーあとねー、科学オタクで人なつっこいコシマの性格もまた魅力的なのよ! DVDの特典映像「クローンたちの素顔」によると、コシマには実在のモデルがいるのだそうで、このキャラの不思議なリアル感はひょっとしたらそんなところからも来ているのかもしれません。

ちなみにこのシリーズ、レズビアンの描き方だけでなく、ドラマとしての全体的なおもしろさも折り紙付きです。謎が謎を呼びまくるスピーディーな展開といい、『ガラスの仮面』もびっくりなヒキの強さといい、ひとりで7役演じ分けてしまうタチアナ・マズラニーの演技力といい、見ていて終始圧倒されっぱなしでした。2015年2月4日にシーズン2の日本語版DVD-BOXが発売されるんですが、その前にここまでキャッチアップできてよかった。シーズン2も、ひととおり鑑賞し次第また感想を書くつもりです。

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