石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

小学2年生が学校で習ったLGBTQの表がTwitterで話題に

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カナダのライター、ジェシカ・ヴァレンティ(Jessica Valenti)さんが、小学2年生の娘さんが学校の授業で「レズビアン」「ゲイ」などの語を習うときに使った表をTwitterに上げ、話題を呼んでいます。

詳細は以下。

This 2nd grade class did an LGBTQ lesson that broke Twitter / LGBTQ Nation

ヴァレンティさんのツイートはこちら。

添付画像の表をざっと和訳すると、こんな感じです。

  • レズビアン:女性にだけ恋愛感情を持つ女性
  • ゲイ:男性にだけ恋愛感情を持つ男性
  • バイ:男性と女性に恋愛感情を持つ人
  • トランスジェンダー:生まれたときに男性または女性の性別を割り当てられたけれど、自分はその性別だと思わない人
  • シスジェンダー:生まれたときに男性または女性の性別を割り当てられて、自分はその性別だと思っている人
  • クィア:
    • これは複雑で、いろんな意味を持つことがあります!
    • 自分は異性愛者でもバイでもゲイでもレズビアンでもないと思う人
  • 異性愛者:
    • 女性にだけ恋愛感情を持つ男性
    • 男性にだけ恋愛感情を持つ女性

そして、ヴァレンティさんがこの表に添えたコメントがこちら。

LGBTQ用語が「わかりにくい」と思っている人へ。うちの娘の小学2年生のクラスがそれ(LGBTQ用語)を理解できるのなら、あなたにもできます。

To the folks who find LGBTQ language “confusing”: If my daughter’s second grade class gets it, so can you.

本当だよね。「LGBT(Q)なんて、子供になんて説明したのかいいのかわからない」と思ってる人にもよさそうですよね、この表。

さて、アンチLGBTQの人々からは、上記ツイートに対する批判も起こっています。「その年齢の子にセックスの実験(experiment of sex)について教えるのは不適切」(大意)とか、「そのクラスの教師を児童虐待で逮捕すべきだ」とか、そういうやつね。それらに対する反論もたくさん寄せられていて、個人的には漫画家のジョーイ・アリソン・セイヤーズさんのこちらの意見にもっとも共感しました。

以下拙訳。

異性愛者であることがセックスだけに特化したことではないのと同様に、LGBTであるということも、セックスだけに特化したことではありません。異性愛者のカップルは、それが彼らがセックスをしているということの宣伝になってしまうからという理由で、自分たちの恋愛を隠さなければいけないんですか?

Being LGBT is not exclusively about sex any more than being straight is exclusively about sex. Should heterosexual couples hide their relationships because it advertises that they have sex?

その通り。だいたい、ヴァレンティさんがTwitterに上げた一覧表には恋愛感情の話はあってもセックス(性行為)についてなんてひとことも書いてないんですよね。アンチLGBTQの人って、どうしてこうもLGBTQと聞いただけで即セックスのことばかり連想して大興奮し始めちゃうんでしょうか。異性にしか興奮しない(ということになっている)ことが、きみたちのご自慢じゃなかったのか。

それから、こちらのツイートの視点も、とても大切だと思います(注:『LGBTQ2』は主にカナダで使われる語で、『2』は『トゥー・スピリット』という男女二元論に縛られない北米先住民のアイデンティティを指します)。

訳:

これのどこでセックスが実験されてるの? LGBTQ2の人たちはポルノの中だけの存在じゃない。恋愛関係やセクシュアリティのような無害なことを表す用語について学ぶことは、子供が将来バランスのとれた大人になるための助けになる。子供たちの中には、(ここでハッと息をのむ)LGBTQ2の親を持つ子だっているんだよ。

Where is sex being experimented with here? LGBTQ2 people exist outside of porn, kids learning terms for benign things like relationships and sexuality is helpful for their development into well rounded people. Some children even have *gasp* LGBTQ2 parents.

そうなんだよね。こういう授業は、性的少数者の子供たちだけじゃなく、シスヘテロの子供にとっても大切なはず。自分自身はシスヘテロでも、家族や友達や将来出会う誰かが全員そうであるとは限らないんだし、彼らが人生のどこかで無駄に悩んだり、ショックを受けたり、誰かを傷つけたりしてしまうことを防ぐためには、やっぱりこれぐらいの年齢から教育していく必要があると思います。最初に出会う知識がポルノの中の偏見まみれのエロ表現じゃ、いろんな意味で困るのよ。