石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『ドリーム百合姉』(あどべんちゃら、一迅社)感想

「ぜんぜん百合じゃないです でも本当はもうちょっとくらい百合にするつもりだったんです」という作者さんのお言葉(カバー見返し)に嘘はありません。これは百合じゃなくて屑。純粋な屑。コミック百合姫を出している一迅社の出版物とは思えないほど古典的な…

『ひまわりさん』(菅野マナミ、メディアファクトリー)感想

学校の真ん前に建っている、古くて小さな「ひまわり書店」を舞台とするハートウォーミングな物語。ラムネ菓子のような素朴な甘酸っぱさがたまらない作品です。どこかノスタルジックな背景と、キャラたちの生き生きした表情が、お話を上手に盛り上げていると…

『羣青(中)』(中村珍、小学館)感想

人を殺したレズビアンと殺させたヘテロ女との絶望的な逃亡劇、中巻。今回もすさまじい緊迫感で、全480ページを読み終わるまでの間、心臓をぎゅっと握られたような痛苦しさが抜けずじまいでした。容赦ないストーリー、巧みなメタファー、そしてレズビアン・テ…

『はやて×ブレード ウルトラドラマCD にばん星! 特訓つめあわせ!』感想

犬・猿・雉・桃香のいつものカルテットおよび瞑子・炎雪の上級生ペアが主役をつとめるドラマCDです。収録作は以下の通り。 +桃香と五十鈴のウルトラC +未知と乙葉の30時間クッキング +瞑子と炎雪のことば教室 +天地学園・おもいでモロモロ2

『オクターヴ(6)』(秋山はる、講談社)感想

元アイドルの雪乃と、作曲家の節子の危なっかしいラブストーリー第6巻。これで完結です。レズビアンカップルとしての生活感といい、容赦なく心を抉る部分といい、ふたりの成長と調和といい、文句なし。ただの恋愛ものの枠を越えて、いたいけでいとおしい思春…

『はる×どり』(渡真仁、芳文社)感想

のんびり屋の女子高生はると、その優等生の友人京子の受験生ライフを描く4コマ。百合だという噂を聞いて買ってみたのですが、どこが百合なんだかまったくわからずじまいでした。はるが寝ぼけて「あなたが好きだから!」と叫ぶ場面こそあれ、深い意味はぜんぜ…

『ゆるゆり(4)』(なもり、一迅社)感想

ゆるくてアホな学園百合コメディ第4巻。限定版付録小冊子「がちゆり」だけでたっぷり笑わされ、本編にも大満足。これまでと同じく、ギャグも百合も冴え渡った逸品でございました。新キャラ3人がまったく違和感なくお話に溶け込んでいるところもうまいなあ。

『わたしたちは皆おっぱい(2)』(東風実花、芳文社)感想

おっぱい好きな女子中学生・鎌上貴子のドタバタな日常を描くコメディ、最終巻。今回も楽しかったです。おっぱいはいつも通りふるふるぽよぽよしているし、それでいてそこにムダに劣情が絡んでこないし。

『執事少女とお嬢様(2)』(真田一輝、芳文社)感想

お嬢様の「沙綺」と、その男装執事「ひなた」の物語。これで完結です。1巻よりも男装萌え要素が薄まり、その分百合寄りの内容になっています。ただし、ありきたりな展開も多い上、メインカップルはあくまで友情と恋愛の境目ぐらいの関係をキープ。

『ちょいあ!(3)』(天蓬元帥、徳間書店)感想

オタクネタ多めの女子中学生百合4コマ、完結編。性表現が男性目線で少しも女子っぽくない上に、キャラクタの感情の動かし方が杜撰なところもあり、あまり楽しめませんでした。例によって裸だのキスシーンだのは多めなので、そちらが目当てな方にはいいかもで…

『おしおきっ!』(かぐらゆうき、芳文社)感想

Mな少女「白藤湊」と、Sな生徒会長「東雲紫苑」との百合なあれこれを描く萌え4コマ。面白かったです。ギャグこそオーソドックスですが、SMのとらえ方はそこらの萌え4コマより頭ひとつ抜きんでているかと。「犬とご主人」というロールプレイ設定や、それを通…

『ちゅうに!(2)』(しんやそうきち、一迅社)感想

中2女子数名が織りなす日常ゆるギャグ4コマ、完結編。ギャグは天然ネタ主体で恋愛要素はまったくなく、「このシリーズ、なんで百合レビューで扱ってたんだっけ」と真剣に悩んでしまいました。が、途中まで読んでようやく思い出しました。「みやこからあまね…

『野ばらの森の乙女たち(1)』(白沢まりも、講談社)感想

なんと「なかよし」連載の百合漫画という異色作。ストーリーは、お嬢様学校に入った主人公が、憧れの先輩の女のコ相手のキスシーンを目撃してしまい、それをきっかけに百合な初恋に踏み込んでいくというもの。とても面白かったです。

『はやて×ブレード ウルトラドラマCD いちばん星! 絶叫つめあわせ!』感想

オリジナルエピソード3種と、原作名場面をアソートした「天地学園・おもいでモロモロ」が収録されたドラマCDです。『はやて×ブレード』らしい、パワフルで軽快な1枚でした。収録作は「はやてと綾那の夜回り隊」「順と夕歩の真夜中探偵」など。

『オハナホロホロ(2)』(鳥野しの、祥伝社)感想

昔彼女同士だった摩耶とみちる、みちるの連れ子ゆうた、階下の男性ニコのおりなす同居物語、第2巻。今回は男の影がさしまくりで、セクマイ色が急激にダウンしてます。♀♀要素はもはや皆無に近いかと。1巻のあのエロティシズムはどこいっちゃったの?

『Candy boy(2)』(峠比呂[画]/DRN/2008CP[原作]、メディアファクトリー)感想

雪乃(ユキ)と奏(カナ)の双子姉妹百合、完結編。本編では進学を控えたふたりのすれ違いと和解が、そしてサイドストーリー「Candyboy 〜 Young girls fall in love!」では一茶子と咲夜の恋の行方が描かれます。どちらのお話もキャラたちは可愛く、それぞれ…

『ピュア百合アンソロジー ひらり、 Vol.3』(新書館)感想

基本的にカプは10代学生同士・行為はキスどまりという無難路線ながらも、安定した質を誇る1冊でした。特によかったのは表情がすばらしい「かわいいひと」(前田とも)、巧みな構成の「購買のプロキオン」(ふかさくえみ)、オチがぐっとくる「図書室の姫ちゃ…