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昨日レビューをupしたレズビアン映画『月の瞳』ですが、レビュー内に書ききれなかった小ネタをここに書いておきます。内容に関わることですので、未見の方のため一応「続きを読む」の形にしておきますね。
話の中で、カミールが"You touched me."と言い、ペトラが "I wanted to."と応えるところがあります。この台詞はダブルミーニングなのに字幕は「感動したわ」「よかった」だけでした。違うだろーーーー。これじゃ、ペトラはぜんぜんその気のないノンケさんに向かっていきなりセックス前提の口説きを始める変な人ってことになってしまう。
このシーンで二人は、コインランドリーでペトラがそっとカミールの腕に触れながら慰めたときことを話しているんですが、二人の間でtouchという言葉の解釈に微妙なずれがあるんですね。touchには「手や指で触れる」という意味と、「感動させる」という意味とがあります。ペトラは前者の意味で受け取ったので、ペトラにとってはこの会話は「あなた私に触ったわ」「そうしたかったから」というものであり、よっしゃこの人私に気があるわ! と思ってその後の口説き台詞に突入していくわけです。一方カミールは心の感動の話をしていたつもりなので、口説かれて急に態度を変えて帰ろうとするわけで。
それを最初っから言葉でズバリ「感動したわ」と訳されたんじゃ、ペトラが前後関係をまったく考えてない色情狂みたいじゃんかー。ま、このへんは字幕の限界ってやつかもしれませんが。
個人的にはコインランドリーのシーンで既に二人の間の求愛と受諾はほとんど済んでるような気がします。その後の、カミールがペトラの服を着てるあたりがダメ押しですね。ただしカミールにとってはそれはまだ「無意識下の出来事」あるいは「否認したい出来事」なんであって、この会話はそのことを描いているのだとあたしは受け取りました。というわけで、このシーンは字幕無視して音声だけ聞いとくのがいいと思います。