石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

文庫改訂版『アフリカン・ゲーム・カートリッジズ』(深見真、角川書店)感想

アフリカン・ゲーム・カートリッジズ (角川文庫)

アフリカン・ゲーム・カートリッジズ (角川文庫)

文庫改訂版。大筋は単行本版とかわらないものの、章の順番や章題が少し変えてあったり、細かいところの文章が変わっていたりして、全体としてはこちらの方が読みやすくなっているかと思います。何より「いいなあ!」と思ったのは、各章の頭に毎回獅子猿さんのかっこいいイラスト*1を使った扉ページが挿入されていること。この扉ページがお話全体にいい感じのメリハリを添えており、ページをめくるのがとても楽しかったです。というわけで、未読の方にはこの文庫版がおすすめ。

内容を再読して思ったのは、「これってアクション&バイオレンス小説でありながら、青春小説でもあるんだなあ」ということ。青春小説っていうか、より正確には「少年の物語」ですね。改めて読むと、主人公ヤザキリュウザのナイーブさやゲイネス(※レズビアンだけじゃなくゲイも登場するお話です)が非常に面白いです。文庫発売で盛り上がって2巻も出てくれると嬉しいんだけどなー。

*1:リュウザも小島警視も山茶花さんも、銃などの無機物の絵もみんなよかった! あと、小島警視と山茶花さんの筋肉がすごいです。「大胸筋の内側をこれだけ発達させるには、どれだけケーブルクロスオーバーをやり込めばいいんだろう」と真剣に頭の中でシミュレーションしつつ見とれてしまいました。