- 作者: 林家志弦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/08/19
- メディア: コミック
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頂上戦についに決着。バトルも愛もよかったです
天地学園頂上決定戦に、ついに決着が。最後までまったく先が読めない展開で、特に勝敗が決まってからの流れには唸らされました。火花散るバトルも、刃友の絆も、それぞれ熱くてよかったです。細かいギャグの数々も相変わらず楽しかった。
まさか最後がああなるとは……!
この巻を読むまで、「天地学園がなくなったらお話が終わっちゃうし、そうなると勝敗は最初から見えてんじゃね?」と思ってたんですよ。ええ、わたくしが間違っておりました。なかなか先を読ませないハラハラ展開に、お釈迦様の手のひらの上の孫悟空のごとく翻弄されまくってしまいました。オチには特に驚かされましたが、ひつぎのあの「まったく説明になってない」(p. 182)にもかかわらず異様に説得力ある台詞に、納得せずにはいられません。
バトルの熱さについて
アクションのみならず、表情と台詞の凄みにぞくぞくさせられます。『はやて×ブレード』って、百合コメディであるだけでなく、「女の子キャラだけでどこまで熱血バトル漫画がやれるか」というある意味実験的なテーマに挑む作品でもあると思うんですよ。で、この巻はその要素が特に色濃く打ち出されているのではないかと。名場面はいくつもありますが、中でもひときわ目立つのは、pp. 144-145(見開きページ)のひつぎと玲。バトル漫画にありがちな添え物ヒロインとしてではなく、あくまでファイターとして血まみれで呵々大笑しつつ戦う乙女2人の姿が、とにかくカッコ良かったです。
刃友の絆について
星奪りの旅はふたりで家に帰るまでが遠足――――!!!!
というはやての台詞(p. 115)が象徴している通り、この巻でもまた刃友同士の絆の大切さが強調されています。ひつぎ・静久ペアと玲・紗枝ペアのそれぞれのつながりが過去エピソードをからめて綿密に描かれており、どちらも濃くてよかったです。恋愛かと言われればたぶん違うのですが、バディものとして秀逸。
ギャグについて
今回もっとも笑わされたのは、素手でとある技を繰り出した後のひつぎさんの右手ジェスチャーでした。いったい何歳なんですかこの人。
まとめ
長らく続いた頂上戦にはきっちりとオチがつくし、バトルものとしてもバディものとしてもよく作り込まれた1冊でした。コミカルな部分も健在で、たいへん満足です。