米国内ではLGBT従業員への公平な待遇で評価が高いトヨタ自動車が、北米拠点をテキサス州に集約すると発表しました。保守的な州への移動となるLGBT従業員を心配する声に対し、トヨタはLGBT従業員のパートナーへの保険等は従来通り保証するとしています。
詳細は以下。
Toyota Moves To Texas: Are Its LGBT Employees Doomed To Lose Benefits? [UPDATED] - Gaywheels
トヨタ自動車はこれまでニューヨーク、カリフォルニア州、ケンタッキー州に分散していた本社機能を、テキサス州ダラス北部のプレイノに移すと発表しています。テキサスというのはいまだにソドミー法があるところで、同性婚も認められていず、家主がゲイカップルの入居申し込みを断ったり、あるいは既に入居している人をゲイだからという理由で追い出したりしても違法ではないところです。比較的リベラルなカリフォルニア州などからそのテキサスに引っ越すLGBT社員の負担を心配したGaywheelsがトヨタに問い合わせをしたところ、以下のような返事が返ってきたとのこと。
多様性と、すべての人を包含するということは、北米トヨタにとって優先事項です。当社ではケンタッキー、カリフォルニア、ニューヨークからプレイノに転勤する可能性のあるLGBTのチームメンバーや同僚たちに対し、トヨタ社員のパートナーの健康保険や社会保険給付の資格はこれまでと変わらないことを保証しております。
Diversity and inclusion is a priority for Toyota North America. We have assured our LGBT team members and associates who may move to Plano from Kentucky, California, and New York, that eligibility for Toyota partner health and welfare benefits will remain the same.
そんなわけで会社からの扱いが変わらないのはすばらしいことですが、州の法律がLGBTを守ってくれないのはやっぱりちょっと心配なところ。たとえば、元記事のこちらの懸念はもっともだと思いました。
たとえば、トヨタの同性愛者の従業員が、カリフォルニア州で法的に結婚している夫に付き添うために病院に行って、テキサスの法律ではただのルームメイトだからと追い出されたらどうする?
For example, what happens when one of Toyota’s gay employees goes to the hospital to stay with the husband he legally married in California, then gets booted out because, under Texas law, he’s no more than a roommate?
一企業がどんなにリベラルでも、こういう局面までは社員を守りきれませんよね。なおトヨタのスポークスマンは、テキサス州にもっとも多くの社員が移動するのは2016年後半または2017年であるとし、その頃までにはいくつか法改正があるのではと言っているそうです。うーん。