石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

アンチゲイなレストラン、ネットでゲイバーとしてレビューされまくる

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ゲイカップルの客に「オカマは嫌いだ」と暴言を吐き、出入り禁止にしたテキサス州のレストランが、ネットのレビューサイトでゲイバーとして絶賛されまくっています。「店主のポールダンス最高」等々、みんな言いたい放題。笑っちゃいけないけど笑ったわ。

詳細は以下。

Texas Restaurant That Refused 'Fag' Customers Touted As Gay Bar Online

そもそもの発端は2014年5月27日、このレストラン「ビッグ・アールズ・ベイト・ハウス・アンド・ギャリー・カフェ」(Big Earl's Bait House and Galley Cafe)に、あるゲイカップルが朝食を食べに行ったときに起こりました。ふたりが食後、会計を済ませると、店主アール・チェニー(Earl Cheney )氏の娘でウェイトレスでもある女性が彼らに2度と来るなと告げ、理由として「わたしたちはオカマが嫌いだ("we just don’t like fags")」と言ったのだそうです。

英語で"fag"というのはたいへんな侮蔑語です。同性愛者を"fag"と呼ぶのは、黒人をNワードで呼ぶのに匹敵する行為。この1件はたちまちTV局に取り上げられ、報道されました。


Bigoted Restaurant Tells Gay Couple: "We Don't Serve Fags Here" - YouTube

店主のアール・チェニー氏は、「うちの店にはホモセクシュアルも黒人もヒスパニックも来る」から自分は差別者ではないと主張しています。どうやら氏の見解では、このカップルが不適切なふるまいをしていたのだということになっている模様。当のカップルの方は、並んで座ってもいなかった上にたいして喋ってもいなかったと言ってるんですけどね。

この事態に怒った人々は、食べログ的なレビューサイトYelpに、この店をゲイバーとして褒めちぎるレビューを投稿するという作戦に出ました。

店主のチェニー氏をポールダンサーにしてしまったレビューはこちら。

特に見どころだったのは、この夜の出し物でした―あからさまに成年向けなバーレスク・ショウの後、アールがポールダンスを披露したのです。最高に家族向けなお店だとは言えないかもしれませんが、いやはや、アールはショウってもののやり方が本当によくわかっています!

A particular highlight was the night's entertainment - a frankly x-rated burlesque show followed by Earl taking a spin on the dance pole. It might not be the most family-friendly establishment but BOY does he know how to put on a show!

もっといかがわしいお店にしてしまったレビューはこちら。

ポーランドのソーセージを注文したところ、とてもふにゃふにゃでした。それでイタリアのソーセージを注文しました。大きすぎて脂っこすぎました。食事の後、アールはわたしをトイレに追い詰めて彼のソーセージを見せようとしました。

i ordered the polish sausage, it was pretty soft. so i ordered the italian sausage, it was too big and greasy. after my meal, earl tried to corner me in the bathroom and show me his sausage.

さらには、ご丁寧にも「ビッグ・ゲイ・アールズ」(BigGay Earls)という名前の架空のレストランのFacebookアカウントを作った人も。そこにまた悪ノリしたコメントをつけている人もいて、もうカオスになってます。

こうした抗議の仕方に眉をひそめる人も当然いるでしょう。しかしね、差別的なレストランが行動をつうじて抗議されるのは、別に今に始まったことじゃありませんよ。

これは、レストランでの人種差別に反対するため、あえて黒人が白人専用席に座るという1960年代の抗議行動(sit-in)の映像です。1964年公民権法が成立したのはこうしたアクションがあってこそ。ゲイやその支援者が「ビッグ・アールズ」に座り込みに行かず、オンラインでからかう程度にとどめているのなんて、かわいいものじゃない?