石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

「誰がジェニー・シェクターを殺したの?」若いレズビアンから年上レズビアンへの質問あれこれ

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BuzzFeed作成による、「若いレズビアンから年上のレズビアンへの質問」動画がおもしろいです。カミングアウトしたばかりでレズビアン友達がいない年若いカップルが、年上のカップルに聞いてみたいことを率直に聞いてくの。

動画はこちら。

動画の内容をちょっと説明すると、まず若い方のカップル、ニッキ(Niki)さんとケルシー(Kelsie)さんはLA在住のカップルで、カミングアウトしたばかり。年上のレズビアン友達がいないこともあって、自分たちが将来カップルとしてどんな風に暮らして行くのか想像できずにいます。このふたりから、年上カップルのロビン(Robin)さんとマドンナ(Madonna)さんになんでも自由に質問してもらうというのがこの企画の骨子です。

もうね、年上カップルの返事がいちいちおもしろすぎるわ。たとえば、ニッキさんたちがふたりの年齢差(5歳)を人に話すとおおごとみたいに受け取られると話すと、ロビンさんたち(7歳差)が「誰がそんなの気にするの?」「トシ取っちゃえば年齢差なんて関係なくなるわよ!」と突っ込むところとかね。また、年上カップルのカミングアウトや出会いについての話もあたしにはなじみ深いもので、思わずにやりとさせられました。以下、抄訳。

  • マドンナさん(カミングアウトについて)「80年代はわたし、ちょっとクロゼットにいなきゃならなくて。エレンがカムアウトしたとき、職場で『オーケー、あたしはエレンと同じなの』と言えたの。エレンが好きになれるなら、ありのままのわたしも好きになれて、問題ないでしょうって」

これは世代を超えて何度も繰り返されていることですね。TVドラマ『glee』でサンタナがレズビアンとして描かれたときは、サンタナ役のナヤ・リベラに「あなたの話のおかげでカミングアウトできた」というメールが大量に届いたそうですし、もっと最近だと、「『オーファン・ブラック』の同性愛者キャラの描写に助けられた」とレズビアンのファンがタチアナ・マズラニーにイベントで直接感謝を伝えたりしています。ポジティブなアイコンがはたす役割は、いつの時代でもそれだけ重要なんです。

  • マドンナさん(他の同性愛者にどこで出会ったかと聞かれて)「バーで会ったり、ソフトボールをしたり。(レズビアンはソフトボールをする、という)ステレオタイプがあるのには、理由があるんだよね」「女性のフェスティバルは、レズビアンが仲間を見つけるにはとてもいい場所でした。そういうフェスティバルは、世界に変化を起こそうとするもので、運動の中にいるとちょっとアンダーグラウンドな気分だった」

そうそう、Tindrもスマホもない時代は、そんなだったのよ。それでも出会えるし付き合えるんだから、ワカモノは「出会いがない」とかなんとか言ってる場合じゃないわよ。

ほか、「年下の同性カップルへのアドバイスは?」と聞かれてロビンさんとマドンナさんがこう言っているところもよかった。

  • ロビンさん「『友達でいる(友達になる)方法』がわからなければ、『恋愛関係を保つ方法』もわからない。恋愛関係ってそういうものだから」
  • マドンナさん「わたしのアドバイスは、自分に誠実であれということ。あなたを責めたり、あなたより物事をよく知っているふりをしたりする声は切ること」

どちらの意見にも、たいへん共感しました。

ちなみに、このエントリのタイトルに書いた「誰がジェニー・シェクターを殺したの?」というのは、動画冒頭で若いカップルが撮影者から「今日聞こうと思っているいちばんバカなことは?」と問われて笑いながら教えた質問です。ジェニー・シェクターというのはドラマ『Lの世界』のキャラで、2009年放映のファイナルシーズン第1話で殺された人。動画では最後の最後で本当にこの質問が出て来て、笑ってしまいました。あたし『Lの世界』は未見なので年上カップルの言ってることが今いちピンとこないんだけど、結局犯人って(ネタバレ防止のため伏せます)なの? どうなの?