石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

高校卒業生総代のゲイ男子、家を追い出されクラウドファンディングで学費調達

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フロリダ州の高校で卒業生総代に選ばれたゲイの男子生徒が、信心深い両親から家を追い出されてホームレスになり、学費も打ち切られてしまいました。幸いクラウドファンディングで資金が集まり、無事進学できることになったそうです。

詳細は以下。

Gay teen living on his own, struggling to get to college

この男性、セス・オーウェン(Seth Owen, 18)さんは高校2年生のとき、親に勝手に携帯電話をチェックされてゲイだと知られてしまったのだそうです。その数日後、親はオーウェンさんを異性愛者に変えようとしてカウンセリングに送り込んだとのこと。それでもオーウェンさんは家にとどまり、バイトや勉学や課外活動に打ち込んできたのですが、2018年2月、親が通っているアンチLGBTQな教会とは別の教会に行かせてほしいと申し出たことがきっかけで、家を追い出されてしまったのだそうです。

経済的援助も絶たれてホームレス状態に陥ったオーウェンさんは、友人宅のカウチで寝かせてもらって働きながら学校に通い、GPA(学業成績の平均点)4.16という好成績を保ちました。卒業生総代にも選ばれました。しかし困るのが大学進学の費用。既にジョージタウン大学への入学が決まっていたのに、奨学金の給付があってもなお約2万ドル足りなかったんだそうです。

そこで彼をかつて教えた教師のひとりが立ち上げたのが、以下のクラウドファンディング。

Fundraiser for Seth Owen by Jane Martin : Let’s Make Seth A Hoya!

ニュースにもなりました。

2018年6月18日から始まったこのクラウドファンディングには、7月31日現在、5万ドル以上のお金が集まっています。オーウェンさんはこの資金で被告側弁護士(defense attorney)を目指し、10代の子供たちを助けたいと考えているそうです。

オーウェンさんからの感謝のビデオメッセージはこちら。

オーウェンさんの両親が何を考えて息子を家から追い出したのかは本人たちにしかわかりませんが、もしも「兵糧攻めにして苦しめれば改心して異性愛者になるだろう」みたいなことを考えていたのであれば、とんでもない勘違いだと思います。セクシュアリティは本人の意志だの、ましてや外的要因だのによって変えられるようなものではない(だからコンバージョン・セラピーを受けさせられた子供が絶望して自殺しちゃうんだよ!!)からです。オーウェンさんが希望通りに大学に進んで教育を受けられる道ができて、本当によかった。