英国のオックスフォード大とオランダのマーストリヒト大の研究者らによる大規模調査で、同性カップルの親を持つ子は、異性カップルの親を持つ子より学校の成績がよい傾向にあるという結果が示されました。
詳細は以下。
この研究では、オランダの同性カップルに育てられている子供3000人と、異性カップルに育てられている百万人以上の子供の比較がおこなわれました。結果として、初等教育と中等教育(primary and secondary education)の両方において、同性カップルの親に生まれたときから育てられている子らの方が、異性カップルに育てられている子らより成績がよい傾向があると示されたのだそうです。たとえば学校をドロップアウトせずに卒業する率は、前者の方が後者より4.8%高かったとのこと。
上記リンク先では、このような結果が出る理由のひとつは収入にあると指摘されています。オランダの子持ち同性カップルの多くは生殖医療や養子縁組の手続きを経て子を持っており、その費用が負担できる分だけ収入が高い傾向にあるんだそうです。しかしながら、そうした社会経済学的因子をとりのぞいて計算しても、依然として同性カップルの子の方が異性カップルの子より成績がよかったとのこと。
オックスフォード大の研究者、Deni Mazrekaj氏は、望んだ上での妊娠であることや、親になるためのモチベーションの高さなど、何か他の要素も関係している可能性があるとコメントしているとの由。
まあね、同性カップルの場合、ヘテロと違って「酔いつぶれてつっぷして、朝起きたら子どもができている」*1みたいなひどい理由で親になるケースは少なそうだし、そのぶん子の教育についてもなんらかの備えなり熱意なりがあって、それが成績に反映されているという可能性はあるでしょうね。とは言え、元記事にもあるようにこれはあくまでオランダのデータの分析結果だから、他の国にもあてはまるかどうかは未知数なんですが。でもとりあえず、酔った勢いでパンツをおろして腰振ってるだけのヘテロが「セーブツガクテキに正しい」と威張れる時代はもうそろそろ終わりつつあるんじゃないかなーとは思いますけど。
追記(2020年11月2日。
自分で書いたのすっかり忘れてた(関連記事で出て来て思い出した)んですが、去年発表されたベルギーのルーヴェン・カトリック大の研究者らによる研究でも、オランダのデータから同じ結果が導き出されてた……と思ったら論文タイトル(これとこれ)が同じで、上記のDeni Mazrekaj氏は”researcher in sociology and social demography at the University of Oxford and an affiliated researcher at KU Leuven university in Belgium."?
ということは、2019年に発表された論文が新たにAmerican Sociological Review (Vol 85, Issue 5, 2020)に掲載されて、またメディアに取り上げられたってことなんでしょうか。だとしたら同じ話を二回紹介しちゃったってことになるんだけど、せっかく書いたんで両方残しておくことにします。
*1:かぎかっこ内の表現はダン・サヴェージ.(2016).『キッド――僕と彼氏はいかにして赤ちゃんを授かったか』 [Kindle version] . (Trans. 大沢章子). Retrieved from amazon.com. (Original work published 1943). No. 814/5753. に出てくる言い回しです。