フランスで2021年1月19日にアンチLGBTQデモが開催され、プラカードを掲げてカウンター抗議していたレズビアン2人が暴力をふるわれました。
詳細は以下。
このデモは要するに、以前のエントリ「フランス下院、レズビアンカップルへの生殖医療補助認める法案可決」で紹介した法案への反対を表明するもの。つまり、レズビアンカップルやシングルマザーへの生殖医療補助を認めるなという趣旨のデモです。主催は、 Le Manif Pour Tous (LMPT)というアンチLGBTQ団体。
前述のレズビアンらは、「良い親になるためには異性愛者であるだけじゃ足りない(“It takes more than heterosexuality to be a good parent” )」、「レズビアンは父親なしで母親になれる(“Lesbians can be mothers without fathers”)」と書かれたプラカードを持って、このデモへのカウンター抗議をしていたのだそうです。彼女らによると、LMPTのデモ参加者とおぼしき男ふたりがふたりの通行を妨げ、暴力的に押したりプラカードを壊したりし、さらにレズビアンのひとりに関節技(アームロック)をかけて痛めつけたとのこと。腕を背中側にひねられ、「ぽきっという音が聞こえた」と、このレズビアンは話しています。なお、彼女らは今回の件について刑事告訴する予定だとのこと。
このレズビアンらが掲げていたプラカード、どちらも真実しか言ってないと思います。でも、加害者らにとっては、何が何でも「異性愛=なぜか自動的に良い親になれてしまう、唯一無二の道」、「男不在の家庭などありえない」ってことにしておかないと都合が悪いんでしょうね。キャトリン・モランは『女になる方法』の中で、娘たちには転ぶたびに「家父長制め!(Damn you, The Patriarchy!)」と言うよう教えたと言ってるけど、LGBTQピープルもこの言葉を合言葉にした方がいいかも。ヘテロ男(より正確にはシスヘテロ男)に特権を与えてるこの制度をぶっ壊さないかぎり、シスヘテ男じゃない人たちはいつまでもこうやって押しのけられて腕をねじられ続けるんだから。