石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

性的指向を理由に資格をはく奪されたレズビアン教師の裁判始まる チリ

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2021年5月13日、米州人権裁判所で、チリの教師サンドラ・セシリア・パベス・パベス(Sandra Cecilia Pavez Pavez)さんが性的指向を理由に資格を剥奪されて宗教教師の職を続けられなくなったことに対するチリ国の責任を問う審理が始まりました。

詳細は以下。

escandala.com

訴えによると、1985年から公的教育機関で宗教教師として働いてきたパベスさんは2007年、サン・ベルナルド司教区の教育担当機関によって、教育省から要求される適正証明書を取り消されてしまったのだそうです。パベスさんはこれは彼女がレズビアンであることを理由としたものだとして法廷で争ってきたのですが、最高裁は、この証明書取り消しは違法ではないとする判断を示しました。

そこでパベスさんは国際機関に訴え、この「パベス・パベス対チリ事件」(caso Pavez-Pavez contra Chile)が米州人権裁判所で争われることになったというわけ。専門家のエステファニア・エスパルサ・レジェス(Estefanía Esparza Reyes)氏は5月13日の審問で、「適正証明書を交付するかしないかで、差別されない権利の遵守義務を回避できるわけではなく、そのような行為は少なくとも違法か、または憲法違反となる可能性がある」と述べたそうです。この後当事者から書面で最終的な主張が提出される予定で、判決はその後ということになるみたい。

このニュース、何に驚いたかって、パベスさんの勤めていた学校(Liceo Cardenal Samoré)は別にカトリック校ではないということ。合衆国あたりだと同性愛者の教師が職を追われるのは私立カトリック校と相場が決まってますが、チリだとそうでもないのか?