石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ショッピングモールのゲイカップル排除事件続き:差別根絶求めキスで抗議 メキシコ・プエブラ州

プライド・フラッグ

www.elsoldepuebla.com.mx

ショッピングモール警備員が同性カップル差別 動画が拡散され店が謝罪 メキシコ・プエブラ州 - 石壁に百合の花咲くの続報。事件のあったショッピングモール"Paseo San Francisco"に対し、地元のLGBTQ+コミュニティが、差別の根絶を求めるための平和的抗議活動を実施しました。

抗議方法は"besatrón"、つまり英語でいうところの"kiss-in"。要するに、参加者が一か所に集まって一斉にキスすることで抗議の意を示すというものです。地元の性的少数者団体らは、同モールで警備員から脅されたカップルが2023年5月11日に動画を公開した後、ネットで5月14日の"besatrón"開催を告知して参加を呼び掛けていました。当日、参加者らはこのモールの洋服店前で、カウントダウンとともにキスを開始したとのこと。

映像はこちら。

前回お知らせした通り、このショッピングモールは該当の警備員を解雇し、13日に謝罪文も出しています。でも、それで喜んでしまっていた自分は甘かったと、今回のEl Sol de Pueblaの報道を見て反省しました。以下、引用して訳します。

この抗議運動に先立ち、差別を受けたカップルのラムセスとディエゴは、ショッピングセンターのとった措置について意見を表明した。

彼らは、暴力をふるった警備員を解雇しても「状況を修復する」ための解決策にはならないと指摘し、スタッフ全員に反差別と社会的包摂の研修を受けさせるよう求めた。

Previo a la manifestación, Ramsés y Diego, pareja que fue discriminada, se pronunciaron sobre las medidas que tomó el centro comercial respecto a su caso.

Señalaron que el despido del guardia que los violentó no es la solución para ”reparar la situación”, por lo que pidieron que el personal sea capacitado en materia de no discriminación e inclusión social.

確かに、いくら店が警備員をひとり解雇しようと、そして「差別は許さない」と発表しようと、個々のスタッフに「差別とは何か」という認識および差別的でない接客をするスキルがなかったら、この先何度も同じことが繰り返されるだけですもんね。本のタイトルにもなっている通り、「差別はたいてい悪意のない人がする」*1ものなんだから、従業員全体への抜本的な教育とトレーニングがなければ防げないわ。それを見据えた上で再発防止を求める"besatrón"を開いたプエブラの皆さまは偉いし、ショッピングモールの謝罪文がご不快構文じゃなかっただけで喜んでしまった自分は志が低すぎたと思います(日本語空間でヘイトばっかり見かけすぎて弱ってるのかもしれん)。

*1:この本ちょうど今読んでるところで、おすすめです。