石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

リオデジャネイロ市、ゲイ・キスのあるマーベルコミックをブックフェアから排除 ブラジル

Young Avengers by Allan Heinberg & Jim Cheung: The Children's Crusade

ブラジル・リオデジャネイロのマルセロ・クリベラ(Marcelo Crivella)市長が、男性同士のキスシーンがあるという理由で、米マーベルのコミック Avengers: The Children’s Crusadeの翻訳版を同国最大のブックフェアから排除すると発表しました。

詳細は以下。

www.hollywoodreporter.com

問題のキスシーンというのはこちら。Hollywood Reporterによれば、これはWiccanとHulklingというキャラで、ふたりは恋人同士なんだそうです。そして、見ての通り別に服を脱いだりもしていません。

にもかかわらずクリベラ市長は、これを「未成年には不適切なコンテンツ」と判断し、同国最大のブックフェアRiocentro Bienal do LivroTwitterから同書を排除すると発表しました。市長は以下のツイートで、「このような本は黒いビニール袋でパックして、外側に警告表示をつけて売る必要がある」とし、排除命令を出すことで「わが市の未成年者を守る」のだと説明しています。

そして市長は、ブックフェアからこのコミックを取りのぞくため警察を派遣。

ボルソナロ大統領の相次ぐホモフォビック発言(例1例2例3)の後にくるのがこの動きかと思うとめげそうになりますね。でも、今回のニュースに関してちょっといい話がひとつだけありました。YouTuberのFelipe Neto氏がこのコミックを大量に購入し、警察がブックフェア本部にやって来る前に、そこにいた人たちに無料で配布したんだそうです。みなさん大喜び。動画は以下を。

Neto氏本人による、Twitterでの報告はこちら。ツイートの意味は「すごくぞくぞくしてる。LGBTの本を手に持って、今ここにいる検閲者たちに抗議しながらブックフェア(Bienal)を去っていく人たち。これが抵抗だ!」てなところかな?(ポルトガル語が読めないので、機械翻訳による西訳・英訳よりざっくり判断)

ちなみにNetoさん、このコミックをわざと黒いビニール袋に入れて「この本は不適切です」と書かれたラベルを貼って配ったみたいで……。やるなあ、もう。市当局のホモフォビアはむかつくけど、それにこうやって即座に抵抗する人がいること、本を片手に抗議してくれた人たちもたくさんいることを忘れないようにしようと思います。