石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

コロナ禍開始以来LGBTI嫌悪が悪化 チリ

f:id:miyakichi:20200419215259j:plain

チリのLGBTI団体、Liberación Homosexual (Movilh)の実施したアンケートで、同国で新型コロナウイルスの最初の感染が報告されて以来、LGBTIコミュニティに対する差別や暴力が悪化していることを示す結果が得られたそうです。

詳細は以下。

www.dosmanzanas.com

この調査は、チリのさまざまな地域の11歳から59歳までの523人を対象に実施されたもの。回答者の45.6%が女性、44.2%が男性、10.2%がノンバイナリーで、10.3%はトランスです。なお回答者の性的指向はゲイ(37.7%)、レズビアン(30.7%)、バイセクシュアル(19.8%)、パンセクシュアル(9.5%)、Aセクシュアル(2.3%)。

Movilhによると、回答者の9.2%が、チリで新型コロナウイルスが初確認されてから性的指向やジェンダー・アイデンティティにもとづく差別を受けたと言っているのだそうです。差別の内訳は、ことばによる攻撃が62%、精神的暴力が35.8%、肉体的暴力が2.2%。しかしながら、被害者の中で人権蹂躙で通報した人は8%しかいません。そして45.3%の人が、コロナウイルスに対処するために実施された措置が通報の妨げになったと答えているとのこと。

なお回答者の38%が、家族や同居人との間で性的指向やジェンダー・アイデンティティーにまつわる衝突が増加したと考えており、27.5%が、差別のために自宅で苦労している人を知っていると答えたそうです。そして、78.4%の人が、今年はコロナウイルスが原因でLGBTIの権利の進展が影響を受けると確信しているとのこと。

今日のこちらのエントリでも触れたような、パンデミック下での性的少数者への攻撃の悪化(それも特に家庭内での)が、チリではもう数字で出ていたとは。ウイルスに殺される前に家族に殺される心配までしなければならず、そしてこのシスヘテロ中心の社会では助けも求めにくいってのが、性的マイノリティのつらいところだわ。遠藤まめたさんが「 wezzyの誰かと会えないコロナ禍の中でしんどさを相談するコツ 」という記事で紹介してらしたんですが、山梨県のCoPrismさんという団体が日本でセクシャルマイノリティ専門電話相談を行っている団体の一覧(2019年時点)をまとめてくださっているので、今困っている人はまずこの中から相談先を探してみるといいかも。

coprism.jimdofree.com