2ヶ月前のエントリ「レズビアンの警察署長を解雇した町長に抗議殺到」の続報です。米国サウスカロライナ州でアンチゲイな町長に解雇された警察署長クリスタル・ムーアさんが、彼女を慕う住人たちの尽力で元通り警察に復帰したそうです。
詳細は以下。
Fired Lesbian Police Chief Gets Her Job Back, Homophobic Mayor Thwarted By Town Council
クリスタル・ムーア(Crystal Moore)さんは、米国サウスカロライナ州のラッタという小さな町で、23年間警察官として働いてきました。ところが、2014年に町長に就任したアール・バラード(Earl Bullard)氏は、彼女がレズビアンだという理由でいやがらせや挑発をくり返し、あげく解雇。
町会議員のひとりはこの解雇に反対し、町長がムーアさんの性的指向を中傷する発言を録音したものを公開しました。ラッタの住民たちはムーア署長の復職を求めてChange.orgで署名運動を展開。「クリスタルはわたしが高校生だった頃から町のために働いてきてくれた」「うちの娘にソフトボールを教えてくれた」など、コメント欄はムーアさんを慕う声でいっぱいです。
町役場の前では、町長に抗議する集会も開かれました。ムーアさんが復職するまでの生活費を助けようと、資金集めもおこなわれたそうです。
Huge crowd for Latta Town Council meeting after police chief fired - YouTube
町議会はムーアさんを支持していたのですが、ラッタでは町長が議会より強い権限を持っていたため、すぐに署長の座に戻すことはできませんでした。そこで町民たちは2014年6月24日(火)、町の統治機構を議会優位に変えるための住民投票を決行。無事可決され、これで問題は解決したかに見えました。しかし翌25日(水)、バラード町長はムーアさん以外の人物を警察署長として採用したと発表。住民投票の結果が有効になるのは金曜日以降だったため、その間隙を突いたんです。
でも、その後にさらなる逆転劇が待っていました。ラッタでは町長が議会の同意なく警察署長を選ぶことは認められていないため、この人事は無効だったんです。こうして6月28日、クリスタル・ムーアさんが約2ヶ月ぶりに再び署長として就任することとなりました。
就任の宣誓をするムーアさん。
Moore sworn in as Latta police chief @carolinalive pic.twitter.com/LyKJsIi4Hz
— Liz Cooper (@LizCooperWPDE) 2014, 6月 27
どうなることかと思ったけど、まずは元通りムーアさんが警察署長に戻れてよかった。「南部は保守的でゲイ嫌い」というイメージを一新してくれたラッタの皆さんに、心からの拍手を。