石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

アンチゲイな書記官収監後、ケンタッキーのゲイカップルがようやく結婚許可証ゲット

marriage license
marriage license / Bill Selak

同性カップルへの結婚許可証発行を拒む書記官が法廷侮辱罪で収監された米国ケンタッキー州ローワン郡で、2015年9月4日、初めて同性カップルが結婚許可証を手にしました。

詳細は以下。

Love Wins For Kentucky Gay Couple, Who Finally Receive Marriage License

許可証ゲット一番乗りは、ジェイムズ・イエイツ(James Yates)さんとウィリアム・スミス・ジュニア(William Smith Jr.)さん。ふたりはこれまで5度結婚許可証を申請し、郡書記官のキム・デイヴィス(Kim Davis)氏から「宗教上の信念」「神の権限」を理由としてはねのけられていました。デイヴィス氏が9月3日、同性婚を認めた裁判所の判決に従わなかったとして拘置所に収容されたため、4日から同性カップルへの許可証発行が可能に。イエイツさんらは朝8時に発行を申し込んだとのこと。

結婚許可証取得後、涙を浮かべて会見に応じるふたり。

デイヴィス氏を法廷侮辱罪で訴えていた原告カップルも、同日無事許可証を手に入れました。

なお、キム・デイヴィス氏の弁護士マット・ステイヴァー(Mat Staver)氏は、9月4日に発行された結婚許可証は法的に無効であると主張し、さらにデイヴィス氏の収監をナチスによるユダヤ人のガス室送りになぞらえることまでして、名誉毀損防止同盟(Anti-Defamation League 略称ADL)から非難されています。そりゃそうだ、ナチスはむしろキリスト教を盾にユダヤ人や同性愛者をガス室に送り込む側だったんだもん。本当にこの弁護士で勝てるつもりなんでしょうか、デイヴィスさん。

ただしNewsweekによると、裁判で有罪となったにもかかわらず、デイヴィス書記官を辞めさせるのは簡単ではないんだそうです。郡書記官というのは選挙で選ばれる公職であるため、州議会による弾劾がなければ、たとえ知事の権限をもってしても辞職させられないとの由。それでこんなに強気なのか。なおデイヴィス氏の夫は、妻には辞める意志はないと語っており、この分だと当分ゴタゴタが続きそうです。

そう言えばスティーヴン・キングが、デイヴィス氏の拘置所送りについてこんなツイートをしてました。

訳:「キム・デイヴィスは望んでいた通りのものを手に入れた。殉教(受難)である」。

できればアニー・ウィルクスに似ているのは服装だけにしておいてほしいもんです。