石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

LGBTの人々はそうでない人の約2倍サイバーいじめに遭いやすい(米調査)

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米国の世論調査会社ハリスが、LGBTの人々はそうでない人よりもいじめに遭いやすく、特にサイバーいじめに関しては約2倍の被害経験があるという調査結果を発表しました。

詳細は以下。

Health & Life - Bullying in Schools: LGBT Adults Report Higher Incidence of Bullying as well as Being Bullied

この調査は2016年2月17日から22日にかけて、米国の2219人の成人を対象に実施されました。LGBTの回答者の約半数(52%)が学校でいじめを受けたことがあると答えたのに対し、全回答者の平均では43%だったとのこと。サイバーいじめに遭ったことがある人は、LGBT回答者では37%で、回答者全員の平均値は20%でした。

いじめの理由も興味深いです。表にまとめるとこんな感じ。

  LGBT 非LGBT
社会的不適応 64% 53%
性的指向 52% 21%
趣味やファッションなどが人と違うこと 52% 31%
人種/エスニシティ 43% 33%
ジェンダーのステレオタイプへの不適合 39% 17%
性自認 26% 13%

人種やエスニシティなんて、性的指向や性自認とはまるで関係ないものなのに、それでもLGBTの人の方がそうでない人よりもいじめに遭うんですね。マイノリティ属性が2倍になると、いじめの口実も2倍になるということか。

これを読んでいて思い出したのが、英紙ガーディアンが最近発表した、オンライン記事のコメント欄での荒らしについての分析です。その分析によれば、もっとも荒らしの被害が多かったライター10人の属性はこんなでした。

  • 10人中8人が女性、残る2人は黒人男性(ガーディアンにレギュラーで記事を書いている人の過半数は白人男性なのに)
  • 女性のうち2人、男性のうち1人が同性愛者
  • 女性のうち1人はイスラム教徒、1人はユダヤ人

結局のところ、攻撃者は弱い者(社会的に弱い立場に置かれている者)を選んで加害欲をぶつけるということなのかも。

おりしも昨日は、性的マイノリティーの生徒たちが学校で沈黙を強いられていることに抗議する「沈黙の日」(Day of Silence)でした。こうした運動が、まだまだたくさん必要だと思うわ。