石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

リオ五輪会場で女子ラグビー選手にガールフレンドがプロポーズ。拍手の中婚約

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リオデジャネイロ五輪のラグビー7人制会場で2016年8月8日、五輪会場ボランティアのマージョリー・エニャ(Marjorie Enya)さんが、同国のラグビー7人制女子代表のイサベラ・セルーロ(Isabella Cerullo)選手にプロポーズしました。

詳細は以下。

Rio Olympics 2016: Venue worker's marriage proposal to Brazil player accepted - BBC Sport

まずは映像をどうぞ。

エニャさんはラグビー7人制女子決勝戦でオーストラリアがニュージーランドを破った後、フィールド上でマイクを握ってセルーロ選手に結婚を申し込んだとのこと。TVカメラやiPhone越しに何百万人もの人々が見守る中、ふたりは婚約し、周囲からは拍手が巻き起こりました。

「彼女が代表入りしたと知ってすぐ、これを特別なものにしなければと思いました」と、エニャはBBCスポーツに話した。

「ラグビー関係者はすばらしい人たちですから、絶対に受け入れてくれると思いました」

"As soon as I knew she was in the squad I thought I have to make this special," Enya told BBC Sport.

"I know rugby people are amazing and they would embrace it."

「オリンピックは終わっても、わたしにとってはこれは大切な人との新たな人生の始まりです。愛は勝つということを示したかったんですよ」

"The Olympic Games can look like closure but, for me, it's starting a new life with someone," added Enya. "I wanted to show people that love wins."

なお共同通信の説明によれば、「ブラジルでは2013年の最高裁判断以降、同性婚が事実上合法」とのことです。

このプロポーズに対するリアクションとしては、AfterEllenなどでレズビアン関係の記事を書いているコラムニスト、ドロシー・スナーカー(Dorothy Snarker)さんのブログエントリが最高に楽しかったです。冒頭がこんななのよ。

ちょっとレズビアンたち。あのね、緊急ミーティングとか開きたいんだけど。どうしてだれもわたしに女子ラグビーのことを教えてくれなかったのよ? これまで女子ラグビーのことを知らなかっただなんて、すっごく裏切られた気分。みんな、こういうのはわたしのツボだって知ってるでしょうが。つまりさ、ちょっと見てみてよ、ほら。走る。投げる。タックルする。太もも。何日も。連続で。

Yo, gay ladies, we need to talk. Like, do I have to call an emergency meeting to discuss why no one told me about women’s rugby? How could I not have known about this before? I feel so betrayed. You know this is my kind of thing. I mean, just look at it – hello. Running. Throwing. Tackling. Thighs. For. Days.

スナーカーさんはこのあと、何枚もの女子ラグビー写真をちりばめてフィールド上のタックルやハグや友情への萌えを熱く(本当に熱く)(そしてギャグも忘れず)語りまくったのち、最後の最後に「追伸」として、「ところで知ってた?」とこのプロポーズの情報をさりげなく付け加えています。そこで初めて、エニャさんたちのキュートなプロポーズ写真を載せるんですよ。いいなあ、この書き方。

同性同士のプロポーズのニュースを紹介するたび、「いずれこういうのがただの『ありふれたこと』として話題にすらならない社会になるといいんだけど」と思うんですが、現実にはまだそうなってないし、どう書くのがもっともいいのか結構悩むんですよね。スナーカーさんのコミカルな記事は、それに対するひとつの正解なのだと思います。やられたわー。尊敬するわー。