石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ジェフリー・タンバー降板後モーラ役をやれそうなトランス女優は誰だ

Transparent (Music From The Amazon Original Series)

ジェフリー・タンバー(Jeffrey Tambor)がセクハラ疑惑でドラマ『トランスペアレント』を降板したことを受け、タンバーの演じていたトランス女性の役を本物のトランスジェンダーの女優が引き継ぐなら誰がいいかをAdvocateが論じています。

詳細は以下。

6 Trans Actresses Who Could Replace Jeffrey Tambor on 'Transparent' | Advocate.com

ジェフリー・タンバーはこのAmazonオリジナルドラマで元政治学教授のトランス女性モーラ・フェファーマン役を演じ、数々の賞に輝いてきた人。本人はシスジェンダー男性で、2016のエミー賞受賞時に「ハリウッドは才能あるトランスジェンダーの人にもっとチャンスを与えるべき」「自分がテレビでトランスジェンダー女性の役を演じる最後のシスジェンダー男性になっても悲しいとは思わない」とスピーチしたことで有名です。

ところが2017年、そのタンバーがトランス女性のアシスタントと女優からセクハラ被害の申し立てをされ、同番組を自主降板。今後モーラの役がどうなるのか、現時点ではまだ公式発表はありません。

で、Advocateがトランスジェンダー・タレント・エージェンシー(Transgender Talent Agency)創設者のアン・トーマス(Ann Thomas)氏に、モーラ役にふさわしいトランスジェンダー女優候補を提案してもらったのだそうです。トーマス氏の挙げた6人は以下の通り。

  • ジリアン・キャメロン(Gillian Cameron)
  • デリア・クロップ(Delia Kropp)
  • トリニティー・サティン・ジョイ(Trinity Satin Joy)
  • ジェニー・ブーン(Jenny Boone)
  • ケイト・ボーンスティーン(Kate Bornstein)
  • ラナ・ヒューストン(Lana Houston)

ケイト・ボーンスティーン(『ボーンスタイン』という表記もありかも)って、"Gender Outlaw"を書いた人よね? 持ってるわあたし。他の女優さんもシカゴやニューヨークの劇場で活動している人、LAで長いキャリアを持つ人、ミュージックビデオで活躍してきた人などさまざまです。そういえば法廷ドラマ『Doubt』の共同クリエイター、ジョーン・レイター(Joan Rater)は、番組でトランス女性のキャラクタのキャスティングをしたとき、才能あるトランスジェンダーの女優が多すぎて候補を絞り込むのが大変だったと言ってましたし、モーラ役がやれそうな人だって当然複数いるわよね。

最近やはりセクハラで『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド』を下ろされたケヴィン・スペイシーの役は、クリストファー・プラマーで撮り直しになったと報じられています。モーラもお話から消すんじゃなくて、トランスジェンダーのキャストに交代するのがベストなのでは。そもそもトランス女性の役をシスジェンダー男性にやらせるのは雇用の機会や、細かな演技や、トランス女性に対する社会通念形成の面などから見て問題だという批判は以前からあった(『Anything』や『リリーのすべて』や『ダラス・バイヤーズ・クラブ』などと並び、『トランスペアレント』もその文脈で批判されています)んですから、その意味でもそれが最良の解決策だと思います。