石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

交差点をレインボーカラーに 国際反ホモフォビアの日祝い メキシコ

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国際反ホモフォビアの日とプライド・マーチを祝うため、メキシコ西部シナロア州の都市マサトラン(Mazatlán)で、浜辺にある横断歩道がレインボーカラーにペイントされました。

詳細は以下。

www.soyhomosensual.com

写真はこちら。

マサトランのルイス・ギジェルモ・ベニテス・トーレス(Luis Guillermo)Benítez Torres)市長は、記者会見で、この塗装は市民の提案に応えてほどこされたものだと説明したとのこと。市長はここ以外に、同市で毎年「ゲイ・プライドと性の多様性のマーチ(Marcha del Orgullo Gay y Diversidad Sexual)」 が開催されるリゾートエリア、ソナ・ドラダにもレインボーカラーの横断歩道を設置する計画をたてているんだそうです。今年のマーチは6月1日に予定されており、イベント終了後に元の色に戻すかどうかは、今後検討する予定だとの由。なお、この横断歩道に通常プライド・フラッグには入っていない水色が追加されている理由は、特に公表されていないようです。

こういう地味な可視化って、実は大事なんじゃないかと思います。『北欧に学ぶ小さなフェミニストの本』(サッサ・ブーグレーン作、枇谷玲子訳、岩崎書店)によると、ノルウェーの社会心理学者ベリット・オースが気づいた「5つの支配の手口」(権力を持つ側が、人を支配するために用いる手口)のうちのひとつめ*1は、「いないものとされる」なんだそうです。そして、LGBTピープルもまた、「そんな人たちは自分の周りにはいない」、「見たことない」、「そんな人たちのニーズは存在しない」等々のかたちでこの手口を使われまくっています。だから、目に見えるかたちで「いーや、この人たちはここにいて、自治体も支援してる」と示すのは大事。こういう横断歩道はペイントするやいなや何者かに塗りつぶされたり罵り言葉を落書きされたりすることも多いんだけど、それは優位集団が「支配力が揺らがされている」と焦ってるってことなんだから、どんどん虹色に塗ってく(プライド月間だけでも)のがいいと思います。

*1:ちなみに残りの4つは「笑いものにする」、「情報をわざとあたえない」、「どちらを選んでも文句を言う」、「責任を押しつけ、恥をかかせる」です。およそマイノリティに生まれたら全部やられるよね、これ。