- LGBTI合唱団、カトリック教会による排除に歌で抗議
- ローマ法王がアイルランド訪問 抗議のレインボーフラッグがお出迎え
- 『glee』のジョウジー・トタがトランスジェンダーとしてカミングアウト
- オクラホマの12歳トランス生徒脅迫事件その後
- アディダスがビリー・ジーン・キング記念モデルを300足限定販売
- マンチェスター・プライドの週末、歩行者信号機に多様なシンボルが登場
- レズビアンホラー映画『What Keeps You Alive(原題)』トレイラー
- 「ミスター・ゲイ・ワールド2019」が香港で開催不能に
- 『キャロル』の未使用ベッドシーンの動画をハーヴェイ・ワインスタインが持っているかも
- 2015年以降で62人のトランスジェンダー女性が殺される パキスタン
LGBTI合唱団、カトリック教会による排除に歌で抗議
Rainbow Choir Holds Peaceful Protest Outside WMoF Congress | GCN | Gay Ireland News & Entertainment
アイルランドのダブリンで8月21日から26日まで開催されるカトリック教会の「第9回世界家庭大会(World Meetings of Families2018)」が、LGBTIの家族たちを大会から排除。これに対する抗議として、8月23日、LGBTIの人々が集まって結成した合唱団「レインボー・クワイア」が会場外で"We Are Family"などを歌うというパフォーマンスをおこないました。
動画はこちら。
冒頭で合唱団の女性が読み上げている声明文をちょっと訳しますよ。
「LGBTIの家族たちは他のどのようなタイプの家族とも同じぐらい大切なのです。わたしたちが今日ここで歌うのは、こう伝えるためです。『わたしたちを沈黙させることはできないぞ!』」
"LGBTI families are as precious as any other type of family. We're singing here today to say: Our Voices will NOT be silenced!"
ローマ法王がアイルランド訪問 抗議のレインボーフラッグがお出迎え
Pope Francis met by pro-LGBT demonstrators and rainbow flags in Dublin · PinkNews
2018年8月25日にアイルランドを訪問したローマ法王フランシスコに対し、LGBTコミュニティーの人々がレインボーカラーの旗や傘などで抗議の意を示しました。
Pope has landed in Ireland. Meanwhile LGBT groups protest in Dublin. #popeinireland pic.twitter.com/TnP2ZRa5gN
— Alex Strangwayes (@AStrangwayes) 2018年8月25日
A fine LGBT welcome for Pope Francis in Dublin! It is hard to describe the rage many feel here about all the abuse scandals . He really will have to get the tone right!! #PopeInIreland pic.twitter.com/Aa7DvYqhgp
— Rob Broomby (@BROOMBY) 2018年8月25日
Brendan Butler of We Are Church on three things they want from @Pontifex pic.twitter.com/0UctBhC1hN
— RTÉ News (@rtenews) 2018年8月25日
なおアイルランド初のオープンリー・ゲイの首相レオ・バラッカー(Leo Varadkar)氏は、法王との会見には歓迎の意と敬意をもって臨みたいと思っているが、法王にはカトリック教会は自らの犯してきた罪を認めなければならないと伝えるつもりだと話しているとのこと。
確かに、カトリック教会には同性カップルをディスってるヒマがあったら、まず自分たちが未婚で妊娠した女性やその子供らを虐待して死に至らしめたり、聖職者による千件以上の児童性虐待事件を隠蔽したりしてきた事実について考えてほしいよね。法王は今回、ダブリンの大聖堂で「カトリック聖職者による性的虐待の被害者たちのために祈りをささげる」そうなんだけど、まさかそれだけで全部チャラになるとか思わないでほしいわ。
『glee』のジョウジー・トタがトランスジェンダーとしてカミングアウト
Josie Totah: Why I'm Ready to Tell the World I'm Transgender | Time
米ドラマ『glee/グリー』のS6で13歳の子役スター「マイロン・マシュコヴィッツ」の役を演じたジョウジー・トタ(Josie Totah)が、トランスジェンダー女性であることを公表しました。彼女は小さい頃から周囲にこの子はゲイの男の子なのだと決めつけられてきていたものの、自分で自分をゲイ男性だと思ったことは一度もないんだそうです。14歳のときトランス女性ジャズ・ジェニングス(Jazz Jennings)のドキュメンタリーを見て「自分はこれだ」と思った彼女は、すぐ母親にそのことを告げ、かかりつけの小児科医に専門家を紹介してもらって、ホルモンブロッカーを処方してもらったとのこと。この8月からは大学に通いつつ役者としてのキャリアも続け、これまで演じる機会がなかった役を演じる計画を立てているんだそうです。
出演作『Champion』のクリエイター、ミンディ・カリング(Mindy Kaling)、『glee』で共演したジェーン・リンチ(Jane Lynch)、そして上記のジャズ・ジェニングス(Jazz Jennings)などが、このカミングアウトに対し暖かい支援のメッセージを送っています。
I love you, Josie. I’m so glad you’re able to speak your truth and live as your authentic self. You’re also so damn talented - I can’t wait to write for you again! ❤️💕❤️💕❤️ https://t.co/OjIoI9Wpb3
— Mindy Kaling (@mindykaling) 2018年8月20日
I support you, my friend! Love you. https://t.co/Vh6zORmkpy
— Jane Lynch (@janemarielynch) 2018年8月20日
Im so proud to see you living in your truth!! Keep being you💖 https://t.co/rR8SgfLRs2
— Jazz Jennings (@JazzJennings__) 2018年8月21日
オクラホマの12歳トランス生徒脅迫事件その後
保護者らがトランス生徒を脅し学校が2日休校に 米オクラホマ - 石壁に百合の花咲くの続報。12歳のトランスジェンダーの女の子、マディーさんが通う学校の保護者らが、Facebookグループでマディーさんへの暴力を扇動する発言をしていた事件で、この保護者らのひとりが勤務先から停職処分を受けました。マディーさんの一家を援助するためのクラウドファンディングは目標額の5倍以上の資金調達に成功し、一家は念願だったヒューストンへの引っ越し準備を進めているそうです。
暴力扇動したパイロットが停職処分に
フロンティア航空は、同社のパイロットで、Facebookに「子供らにトイレで〇を蹴っ飛ばせと言ってやれよ、そうすりゃ『それ』(訳注:マディーさんのこと)はもう戻ってきたいと思わなくなるぞ!!」などと書き込んでいたケヴィン・ビッカースタッフ(Kevin Bickerstaff)氏について、調査の結果が出るまでの間停職処分としたと正式に発表しました。同社は声明文の中で、人に対する敬意と親切心を欠く行為は同社の行動規範に反すると述べているとの由。
一家を支援するクラウドファンディングが目標額の5倍突破
Facebookでの脅迫が原因でマディーさんが通う学校が休校になったのが、8月13~14日。15日には、有志がマディーさんと家族が別の街に引っ越すためのクラウドファンディングを始めました。詳しくは以下を。
最初の目標額は1万ドルだったとのことですが、日本時間で8月26日現在、このクラウドファンディングには5万ドル以上の資金が集まっています。PinkNewsによれば、トリップアドバイザーの共同創設者ニック・シャニー(Nick Shanny)は、このクラウドファンディングに1万ドル寄付したそうです。ヤングアダルト小説家のキャサリン・アプルゲイト(Katherine Applegate)も千ドル寄付。アプルゲイトは、自分の21歳の娘もトランスジェンダーで、マディーさんの受けた扱いを知って胸が張り裂けそうだったそうだったと話しているとのこと。
マディーさん一家はヒューストンへ
Exclusive: TripAdvisor co-founder gives $10,000 to help abused transgender child move · PinkNews
マディーさんのお母さん、ブランディ・ローズさんは、「わたしの娘のような人たちにとってもっとオープンで、多様なコミュニティ」を求めてヒューストンに引っ越したいと以前から考えていて、経済的な理由で断念していたのだそう。でも今回のクラウドファンディングで引っ越しの準備に取り掛かることができ、もう新たな住処も決めたのだそうです。
ヒューストンって、あの共和党優位のテキサス州の中にあって、レズビアンのアニース・パーカー(Annise Parker)が市長をやっていたところですよね。マディーさんとご家族が、ここで今度こそ平和で安全な暮らしを手に入れられますように。
アディダスがビリー・ジーン・キング記念モデルを300足限定販売
Billie Jean King on adidas AM4BJK and Equality | HYPEBAE
アディダスUSが、全米オープンに向けてビリー・ジーン・キング(Billie Jean King)記念モデルのテニスシューズを限定300足発売するそうです。
Billie Jean King got her own Adidas Speedfactory AM4: https://t.co/8C7BWeuXCJ pic.twitter.com/SqS28vauGI
— SoleCollector.com (@SoleCollector) 2018年8月24日
青と白を基調としたデザインは、45年前にボビー・リッグス(Bobby Riggs)との試合(バトル・オブ・ザ・セクシーズ)でビリー・ジーンが実際にはいていたシューズにちなんだもの。ベロ(タン)の部分には彼女と肖像画とサインと、通しナンバーが刺繍されています。価格は200ドルで、8月27日からアディダスのオンラインショップなどで購入可能とのこと。
この靴を紹介するビリー・ジーン・キングのツイートがよかったです。「アディダスとわたしは、スポーツ界での女性の平等を求める戦いはまだ終わっていないことを皆さんにも認識していただきたいと思っています」って書いてあるの。さすがだ。
These shoes are inspired by those I wore in the Battle of the Sexes 45 years ago. @adidas and I want us all to recognize that the battle for equality for women in sport isn’t over. https://t.co/SwetH8fc5o
— Billie Jean King (@BillieJeanKing) 2018年8月24日
マンチェスター・プライドの週末、歩行者信号機に多様なシンボルが登場
Manchester gets LGBTQ traffic lights to celebrate Pride weekend
Our friends at @OfficialTFGM & @PRIDESiemens did an amazing job of transforming these pedestrian crossing signals in celebration of Manchester Pride! Keep an eye out near Piccadilly on your way to The Big Weekend and take a pic if you spot one🚦🏳️🌈 pic.twitter.com/Wny2uxuMRd
— Manchester Pride (@ManchesterPride) 2018年8月24日
英国マンチェスターで、2018年8月24日から27日のマンチェスター・プライドを祝うため、計34か所の歩行者用信号が多様なデザインを採用するそうです。具体的には、普段は緑色の男性のシンボルが使われている表示の部分に、この期間にはゲイやレズビアン、トランスジェンダー、ストレートを表す記号が使われるとのこと。
ロンドンや、スペインのサンフェルナンドや、オーストリアのウイーンでもこういう試みはありましたよね。「人間」を表す記号がいつもいつも判で押したように「(おそらくはシスヘテロの)男」になっているのはおかしいので、こういうことはどんどんやるべきだと思います。
レズビアンホラー映画『What Keeps You Alive(原題)』トレイラー
‘What Keeps You Alive’ is True Lesbian Horror
2018年8月24日から劇場公開(限定公開)とオンデマンド配信が始まっているレズビアンホラー映画『What Keeps You Alive(原題)』が画期的だと話題になっています。何が画期的って、女性同士の既婚カップルが主役のホラーなのに、女性が好きな女性のセクシュアリティを邪悪さと結びつけるような設定がないということ。お話の核をなす恐怖は、「自分は結婚した相手のことを本当に知っていたのだろうか」という問いかけにあり、メインカップルのセクシュアリティは、「クィアな観客のためのボーナス」ぐらいの位置づけなんだそうです。日本だとまだネット配信もされていないようだから、しばらく待つ必要がありそう。
「ミスター・ゲイ・ワールド2019」が香港で開催不能に
Chinese 'clampdown' on LGBTI events forces Mr Gay World 2019 out of Hong Kong - Star Observer
世界最大のゲイ・コンテスト、「ミスター・ゲイ・ワールド(MGW)」の2019年の開催予定地が、香港から南アフリカのケープタウンに変更されました。原因は、香港での主催を担当していた企業の本拠地が中国本土で、中国当局がその企業を厳しく叱責し、LGBTの権利や活動(商業的なものであろうとそうでなかろうと)を中国で促進することはやめるようにと警告したから。MGWの創設者でプレジデントのエリック・バトラー(Eric Butter)氏は、仲間と家族の安全が最優先だとして、開催地の変更に同意しているとのこと。
香港では2018年7月、終審法院(最高裁)が「扶養家族の就労権を異性カップルにのみ制限することは『非生産的だ』」として(日本の『LGBTは非生産的』派の皆さんとは正反対の考え方ですね)、同性愛者に扶養家族ビザと同等の就労権を認める判断を下したばかりです。その一方で、こんなことも起こっていたとは。
『キャロル』の未使用ベッドシーンの動画をハーヴェイ・ワインスタインが持っているかも
‘Carol’ lesbian sex scenes feared to be kept by Harvey Weinstein · PinkNews
映画『キャロル』の内部関係者が、映画では使われなかったレズビアンセックスのシーンを、この映画のエグゼクティブ・プロデューサーだったハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)が所持しているかもしれないという懸念を表明しているそうです。たいていの場合、契約ではプロデューサーがそうしたシーンを消去することになっているのだそうですが、「このデジタル時代に何かを完全に消すことが可能だとはとても思えない、消せると思うのは浅はかだ」とその内部関係者は話しているとのこと。
ちなみにワインスタインの代理人は、このシーンには1回分のテイクしかなく「未使用シーン」はなかった、したがって彼はそのようなフッテージを持っていないと話しているそうです。またHollywood Reporterによると、『キャロル』のプロデューサーのクリスティン・バション(Christine Vachon)は、ワインスタイン・カンパニーに見せたのも届けたのもファイナルカットだけだから、ワインスタインが「未使用セックスシーン」にアクセスできたはずはないと言っているとのこと。とりあえずその言葉を信じるしかないのかなあ。
2015年以降で62人のトランスジェンダー女性が殺される パキスタン
Pakistan's trans women are furious after 62nd woman shot and dismembered
パキスタンのカイバル・パクトゥンクワ州で2018年8月17日、トランスジェンダー女性のSajid urf Nazoさんが「むごたらしく虐待されて切り刻まれ」、さらに撃たれて殺害されるという事件が起こりました。警察は、Mohammed Farooq容疑者が「人間の器官と性器の入った袋」を捨てようとしているところを発見したとして、同容疑者ともうひとりの男を逮捕しています。Farooq容疑者はNazoさんを銃で撃ったことと、斧で体を切り刻んだことを認めているそうです。
これで同国では2015年以降に少なくとも62人のトランス女性が殺害されたことになり、トランスジェンダーのコミュニティから怒りの声が上がっています。ちなみにこのカイバル・パクトゥンクワ州では、2018年だけでトランス女性を標的とした暴力事件が479件、殺人事件が8件起こっているのだそうです。
先日のオクラホマの12歳トランス生徒脅迫事件でも思ったけど、どうしてトランスフォビックなシスの人って、トランスの人の体を切り刻むことにここまで執着するんですか。なんでそこまで人のジェンダーやボディや命を自分(たち)が支配していいと思ってるんすか。おかしいだろそのエクストリーム特権感覚。