メキシコ・グアナフアト州で初めて養子の親となったゲイカップルが、ネットで話題になっています。この家族を中傷するネットユーザーもいる一方、それらの中傷にきっぱり反論している人もたくさんいるようです。
詳細は以下。
このカップル、ダニエルとアラン・アルカンタル(Daniel y Alan Alcantar)さんは2020年6月12日(現地時間)、お子さんと養子縁組したことをTwitterで以下のように発表しました。
Muy contentos de tener a nuestro hijo pic.twitter.com/4w01b5o4WF
— Daddies Gto (@DaddiesGto) June 11, 2020
訳;
わたしたちの息子を持つことができ、とても幸せです
Muy contentos de tener a nuestro hijo
日本時間で6月15日現在、このツイートは1.2万回リツイートされており、「いいね」の数は18万以上。寄せられたリプライには祝福の声もあれば、判で押したような同性愛嫌悪発言も見受けられます。興味深いのは、ネガティブなコメントには必ずと言っていいほど誰かが反論していることです。たとえば、Escandalaで紹介されているやりとりはこんなです。
Por más que digas "con respeto" date cuenta que tu comentario es ofensivo y pendejo.
— Adrián Andrés (@_adrian_andres_) June 13, 2020
Presumen a su hijo porque es un orgullo, como cualquier padre presume al suyo.
訳:
Sven Hassel@svenhassel09 · Jun 13, 2020
Con mucho respeto, busco y busco en la imagen y no encuentro la MADRE de esa criatura donde está ? Que tipo de formación pueden darles ustedes dos ? Aquí me ponen a pensar, le darán afecto a ese pequeño o es un Rehén vuestro ? Y lo exhiben como un trofeo...no puedo articular más.
敬意をこめて画像の中を探しまくっているのですが、その生き物の母親を見つけることができません。母親はどこにいるんですか? あなたがたにどんな教育ができるのでしょうか? この子供に愛情を注ぐんですか、それともこの子を人質にするんですか? なんかトロフィーみたいに見せびらかしてるし……これ以上言えない。
Adrián Andrés@_adrian_andres_
いくら「敬意をこめて」と言ってもあんたのコメントは失礼でアホだということに気づけよ。
彼らが息子を自慢にしているのは、その子が誇りだからだよ。他のどこの親でもやるのと同じだ。Por más que digas "con respeto" date cuenta que tu comentario es ofensivo y pendejo. Presumen a su hijo porque es un orgullo, como cualquier padre presume al suyo.
このほか、わざわざ「自分はホモフォビックじゃないけど……」と前置きしてから同性カップルによる養子縁組をこき下ろし、「『わたしたちの息子』だってよははははは」と嘲笑したTwitterユーザに「いーや、あんたはホモフォビックだよ。以上」とばっさり言い返している人もいれば、「赤ちゃんには母親と父親を持つという当然の権利があるのに、大の男ふたりが自分たちの権利の方を押しつけている」という非難に「赤ちゃんに必要なのは家族からの愛情と保護」、「進歩してください、もう21世紀なんですよ」などと反論している人たちもいます。すごいのは「自分の親は同性愛者で、わたしは愛されてすくすく育って大学も卒業した、おばあちゃんやおばさんもいるから母の愛はなくても大丈夫だった」(大意)というリプライをつけている女性にまで「そんなの例外かも、運がよかっただけで、下手をすれば殺されていたかも」(大意)と食い下がっている人がいたことです。これもまた当の女性に「それは異性愛者でも同じで、性的な好みとは関係なく、単純に良き親である人とそうでない人がいるだけです」と返されていましたけど。
元ツイートにぶら下がっているスレッドをひととおり見れば、アンチゲイな人々がゲイ・ファミリーを否定するために人々が持ち出す理屈は日本語圏でも英語圏でもスペイン語圏でもほぼ同じであることがよくわかると思います。十年一日のようなそれらのコメントに粘り強く反論している人たちには、本当に頭が下がる思いです。見習わなくっちゃなー。
さて、ネガティブコメントの話ばかりでも何なので、お口直しにこのふたりのパパたちのYouTubeチャンネルDaddies Gtoから、このご家族の動画をひとつだけ紹介して終わりにしたいと思います。2020年春夏用子供向けファッションの回で、息子のエミリアーノくん(という名前だそうです)の司会で始まるんですよ。早いとこ、こういうのを見ても誰もいちいち驚かずに「ああよくある家族YouTuberのチャンネルだね、この服かわいいねー」ぐらいの反応しか出てこないような世の中にしたいわ。