2020年8月31日、南米コロンビアのアトランティコ県で29歳のレズビアンが何者かに射殺されました。検察庁技術捜査局(CTI)が強盗未遂説を唱える一方、被害者の母親は差別による殺人だと主張しているとのこと。
詳細は以下。
同県ソレダード市の自宅で菓子などを売る仕事をしていたケリー・カロリナ・ペレス・トリゴス(Kelly Carolina Pérez Trigos)さんは、オープンリー・レズビアンでした。彼女は8月31日後5時34分頃、徒歩で家にやってきた男に至近距離から2発の銃弾を撃ち込まれました。犯人は逃亡し、ケリーさんは医療機関に運ばれて死亡が確認されました。
検察庁技術捜査局(CTI)は、これは強盗未遂事件で、ケリーさんは抵抗したため殺害されたと考えているとのこと。Zona Ceroによると、警察の報告書では男の目的は携帯電話を盗むことにあったとされているのだそうです。しかしながら、ケリーさんの母親は、これは差別による殺人だと主張しています。男は携帯電話などまったく要求しなかった、何も言わずに娘の頭を撃った、殺すことが目的でやって来たのだと彼女は話しています。
なお、Caribe Afirmativoによると、カリブ海海域地域では2020年までにLBT女性に対するフェミサイド(スペイン語だと"feminicidio")が10件発生しているのだそうです。うち5件がアトランティコで起こったもので、3件がトランス女性、2件がレズビアンを狙った事件だったとのこと。
人が「カリブ海」と聞いて連想するものはさまざまだと思います。ある人にとってはそれはディズニーランドのアトラクションかもしれないし、真っ青な海かもしれないし、音楽やラム酒かもしれない。でもあたしが真っ先に連想するのはこういう事件や、昔の砂糖貿易や、奴隷貿易の方ですね(余談だけどこの本むちゃくちゃ面白いですよ→『世界史をつくった海賊』(ちくま新書))。ことほどさように世界の見え方なんて人によってまったく違っていて、だから基本的に話は通じないし問題もなくならないんだろうなと思います。。