石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

今週の未紹介LGBTニュース(2017年7月23日)

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メーガン・ラピノーの新彼女は女子バスケ米国代表 出会いはリオ五輪

WNBA All-Star Sue Bird is ready to let you in

WNBAのスー・バード(Sue Bird)選手が上記ESPNのインタビューでカミングアウトし、女子サッカーのメーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)選手との交際を公表。

DCコミック『スーサイド・スクワット』の世界にジェンダーフルイドの新スーパーヒーロー登場

The 'Suicide Squad' Universe Just Added a New Genderfluid Character | PRIDE.com

このキャラの名前は「ドクター・エンドレス(Doctor Endless)」。2017年8月に出版される"Suicide Squad: The Black Files"でデビュー予定とのこと。

キリスト教団体、「レインボーは神様のもの」と主張しさんざん突っ込まれる

A Christian Org Is Trying to 'Take Back the Rainbow,' and the Internet Is Snickering | PRIDE.com

発端はこの写真。「虹は神様のもの」と世界に知らしめようとして、ノアの箱舟をレインボーカラーにしてみたらしいです。

これに対するゲイ方面からのツッコミ:「これって新しいゲイ・クルーズの会社? それなら賛成!」。

アイルランド方面からの突っ込み:「虹はレプラコーンのものだと思ったけど」。

キリスト教方面からのツッコミ:「ノアって近親姦にも賛成してたよ! 『3人の息子からまた地球の人口を増やすだって? ほら、できた!』 すごく進歩的。うえー」「それに、ノアって酔っぱらって裸になることも楽しんでたよね。よかったね、ノア」。

ビアンカ・デル・リオがアン・コールターに辛辣なコメント

Bianca Del Rio Just Dragged Ann Coulter | PRIDE.com

米保守派コラムニストのアン・コールター(Ann Coulter)が最近、デルタ航空が自分の席を「ダックスフントみたいな短足女」と交換させたとして、その女性客の写真をTwitterで晒して怒りまくるという事件がありました。『ル・ポールのドラァグ・レース』シーズン6の勝者にして映画『ハリケーン・ビアンカ』(レビュー)主演のドラァグクイーン、ビアンカ・デル・リオ(Bianca Del Rio)が、それに対してこんな辛辣なコメントを披露。


カナダの教会、ホモフォビックなチラシに虹のポスターで対抗

Church Spreads Pro-Gay Posters to Combat Homophobia - Towleroad

エドモントン界隈のバス停や掲示板に何者かが貼って回った「カナダは同性愛の罪で罰されるであろう“Canada will be punished for the sin of homosexuality.”)」というチラシに対抗するため、教会がこんなポスターを作ったのだそうです。


米ロードアイランド州で10代への「ゲイ治療」禁止

Rhode Island bans ex-gay conversion therapy for minors

これで同州は、米国で未成年者への「ゲイ治療」を禁じた10番目の州になりました。汎米保健機構(Pan American Health Organization)は2012年、同性愛は人間のセクシュアリティの一種であって医療の対象ではない上に、この手の「治療」はクライアントの心身の健康をおびやかすリスクがあるとする声明を発表しています。

ウェールズで16歳トランス女性がプロム・クイーンに  英国初

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ウェールズの学校で、16歳のトランス女性ローリー・ベイノン(Lori Beynon)さんがプロム・クイーンに選ばれました。

詳細は以下。

Rural Welsh school awards trans teen title of Prom Queen

まず写真をどうぞ。

こういうニュース、米国でもありましたよね。

ローリーさんは小さいときから自分は女の子だとわかっていて、女の子の恰好がしたいと思っていたとのこと。13歳でお母さんにカミングアウトし、プロムの日まで常にスカートを着用していたものの、「ちゃんとしたドレス」は着たことがなかったのだそうです。その彼女が今や、英国初のトランスジェンダーのプロム・クイーン。おめでとうございます!

ソウルのプライドパレードにイエス様あらわる

Human AH、メンズGay Jesusマグ one_size ホワイト

2017年7月15日、韓国・ソウルのプライド・イベント「第18回クィアー文化フェスティバル」でおこなわれたパレードに、イエスのコスプレをした人が登場。彼が絶妙の場所で絶妙のプラカードを掲げた写真が話題を呼んでいます。

詳細は以下。

Jesus steals the show at Seoul Pride in the most brilliant way

まずは写真をどうぞ。

写真のバックに写っているのは、おそらくキリスト教団体がかかげたものだと思われる、「同性愛は罪! イエスのみもとに戻れ("Homosexuality is Sin! Return to Jesus!")」と書かれた横断幕。その団体の前で、「イエス」がレインボーカラーのプラカードを手にこちら側を向いて立っており、プラカードの文言はこんなです。

それ(同性愛)、わたしは別にいいですよ

I'M COOL WITH IT

このイエス様と一緒に写真を撮った人もいたみたい。

I'm with Jay-Z.

Jay 'Oppa' Kimさん(@sgtjaykim)がシェアした投稿 -

これはまた別のイエス様かな? こちらの看板は、「クィアであり続け、普段の生活を続けよ("KEEP QUEER AND CARRY ON")」。言うまでもなく、戦時中の英国のスローガン"Keep calm and carry on"のパロディーです。

レイバーネットによれば、今年の同フェスティバルは雨にも負けず史上最多の8万5千人(去年は5万人)もの参加者を集め、パレードでは約5万5千人が行進したとのこと。性的指向にもとづく差別を禁止する法案が保守的キリスト教団体のロビイングで潰されたり、同性の兵士と性交渉した大尉が有罪判決を下されたりもしている同国ですが、この状況を変えようとする力も負けず劣らず強いみたいですね。

同じ男に二股かけられた女性同士が友達に。そして恋人同士に

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米国で同じ男性から二股をかけられた女性ふたりが、手に手を取って男にビヨンセの『Lemonade』ばりの復讐をしたのち親友となり、やがて女性同士で付き合い始めたそうです。

詳細は以下。

Man’s girlfriends find out he’s cheating – and start dating each other instead · PinkNews

一連の出来事をTwitterで報告したのは、ニューヨークの大学生エンジェル・マリー・ブルー(Angel Marie Blue)さん。事の発端は、ブルーさんが数か月つきあっていた彼氏が、他の女性にも手を出していたとわかったこと。2017年6月25日、彼女はこんなツイートをしています。

彼氏が浮気してると気づいて、浮気相手と手を組んで……そう、あたしらあいつの車と服をめっちゃくちゃにしてやった。今じゃあたしら親友だよ

When you find out he’s cheating and link up wit his side bitch aw yeah we f***ed up his car, his clothes & now we besties all 2017

さらに他のツイートによると、ブルーさんの元彼は五か月間浮気をしていて、その浮気相手の女性からブルーさんのもとに連絡が来たのだそうです。ブルーさんは彼女と「同盟を結んで」一緒に元彼の物をぶち壊し、その後、女同士で友達になったとのこと。

これらのツイートに対してはヘイトコメントも寄せられたとのことですが、それに対する彼女の返事は、こう。

余計なお世話。平和にビヨンセさせといてよ。

leave me alone – let me Beyoncé in peace.

ここで動詞として使われている「ビヨンセ」は、たぶんこれ(の、2:35あたりからの展開)のことですね。蛇足ですが、この曲が収録されているアルバム『Lemonade』は、ビヨンセが夫ジェイ・Zの浮気に対する怒りをぶつけたアルバムだと言われています。

で、ここから約2週間後のブルーさんの進捗報告がさらにいいのよ。「親友」と一緒に撮った写真が載っている旧ツイートを引用リツイートした上で、彼女はこんなことをつぶやいたんです。

「情報更新。あたしら今、つきあってます」

“UPDATE: We’re dating now.”

なんという急展開。

そりゃ、レズビアンのあたしとしては、これまで女が二股男に振り回されるドラマやコントを見るたび、「そんな屑男はさっさと捨てて、その浮気相手/親友の女の子と付き合っとけばいいのに。女同士はいいぞー」などとつぶやくことしきりでしたが、まさかそれを本当にやってのけた人がいたとは!

残念ながら2017年7月20日現在、ブルーさんのTwitterアカウントは凍結されている(やっぱり元彼の車をレモネードしたのがまずかったのかしら)ようなので、その後どうなったのかは謎です。今となってはこれが実話だったのかどうかを確かめるすべすらありませんが、全部実話でふたりが楽しく過ごしてくれているといいなと思います。去年リアリティ番組『ザ・バチェラー』の女性コンテスタント同士が恋に落ちたときにも思ったけど、「男の寵を争う」というヘテロ恋愛ルートを延々走り続けるより、ふと横を見て発見したバイパスを通った方が、案外早く幸せにたどりつけるってこともあるもんですからね。女同士はいいぞー(大事なことなので二回言いました)。

スコットランド、全学校でジェンダー・ニュートラルなトイレ導入へ

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スコットランド政府が、すべての学校施設にジェンダー・ニュートラルな(どんなジェンダーの生徒でも使える)トイレを設置するよう求める予定を発表しました。

詳細は以下。

Scottish Government Proposes Gender-Neutral Bathroom Plan for Schools | Out Magazine

同政府によれば、現行の規定では男女同数のトイレを設置することしか義務付けられておらず、これでは障害のある子供や出生時に割り当てられた性別と異なる性自認の子供たちのニーズを満たせないため、規則をアップデートするとのこと。政府案では、今後学校に設置されるユニセックストイレは、「複数の独立した個室+手洗い用の洗面台がある共有スペース」というつくりになるのだそうです。この設計は、平等を求めるアクティヴィストたちからも支持されているとの由。

「イクオリティ・ネットワーク(Equality Network)」のジェイムズ・モートン(James Morton)さんによれば、スコットランドでは既にこうしたジェンダー・ニュートラルなトイレを導入している学校がたくさんあり、「独立した個室+オープンな手洗いスペース」というレイアウトがトイレでのいじめや落書きを減らすということがわかっているのだそうです。モートンさんはまた、ジェンダー別のトイレしかないとトランスジェンダーの子がトイレに行かなくてすむよう水分摂取をがまんして脱水症状に陥る危険があることや、ジェンダー・ニュートラルなトイレというのは別に新奇なものではなく、たいていの人が「飛行機や、電車や、それからもっとも大事なことに――自分の家で」何も考えずに日常的に使っているものだということなどを指摘しています。

この、「飛行機や、電車や、自分の家」で誰もが使っているような完全個室で誰でも入れるトイレを設置するというのが大事だと思います。現状のトイレとは別個に麗々しくレインボーカラーで飾った「LGBTトイレ」みたいなものを用意して、「『LGBT』はこっち」と振り分けてしまうようでは、映画『ヒドゥン・フィギュアズ(邦題『ドリーム』)』に出てきた有色人種用トイレと変わりませんからね。あのタラジ・P・ヘンソンの"There's no bathroom for me here."で始まる怒涛の"bathroom speech"シーンと同じことがそこら中で起こるのが容易に想像できちゃうよ。包摂("inclusion")って、そういうことでは絶対ないはず。今回スコットランド政府が発表した新方針で、よりたくさんの子供たちが学校で安心して過ごせるようになることを願ってやみません。

マルタ共和国議会、同性婚を認める法案を可決

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英連邦マルタの議会が2017年7月12日、結婚法から「夫」「妻」「母」「父」などの語を撤廃し、「配偶者」「子を産んだ親」のようなジェンダー中立的な語に置き換える法案を可決しました。早い話が、同国では結婚が男女だけのものではなくなったわけ。

詳細は以下。

Malta Officially Passes Marriage Equality | NewNowNext

投票結果は賛成66対反対1だったそうです。AFPによれば、これで同国はEUで15番目に同性婚を合法化した国になるとのこと。2011年まで異性同士の離婚さえ認められていなかったローマン・カトリックの国で、これはかなりの急激な変化なのでは。

法案可決を祝う人々の様子はこちら。

確か過去にもマルタについて何か書いたはずだと思ったら、これでした。つまり、2014年のシビルユニオン法可決の記事。それからわずか3年でこうなるんですから、よっぽどまめにニュースに目を通していないとあっという間に浦島太郎ですね。今後も知識のアップデートがんばります。

米テキサスのトランス女性、トランスフォビックな知事とのセルフィ―で「トイレ法案」を揶揄

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米国テキサス州サンアントニオのトランス女性が、トランスフォビックな同州知事と撮ったセルフィ―を使って、知事が支持している差別的な「トイレ法案("bathroom bill")」をユーモラスに批判しました。

詳細は以下。

Greg Abbott trolled with epic photo by Texas activist after campaign announcement - Houston Chronicle

この女性、アシュリー・スミス(Ashley Smith)さんがFacebookに載せた画像はこちら。

写真にはグレッグ・アボット知事とスミスさんが仲良く笑顔で映っていて、「トイレ友達(#BATHROOMBUDDY)」というハッシュタグが記載されています。最高なのが、スミスさんがFacebookでこの写真につけた以下のキャプション。。

「もし知事がわたしがトランスジェンダーだとわからないのなら、トイレ警察にはどうしてわかるの?」

How will the Potty Police know I'm transgender if the Governor doesn't?

現在米国では、トランスジェンダーの人が出生証明書に記載された性別通りではないトイレを使うことを違法とする法案、通称「トイレ法案("bathroom bill")」の是非が議論の的になっています。このトイレ法案を支持しているアボット知事は、最近再選を目指して出馬すると表明したのち、イベントのために2017年7月14日にサンアントニオを訪れていました。そこでアクティヴィストのスミスさんが撮ったのがこの写真。そもそも知事のこのイベントにスミスさんが赴いたのも、5月にテキサス州議会を通過できなかった「トイレ法案」が、アボット知事が招集した臨時議会で7月18日から再検討されることになっていたからなのだそうです。スミスさんの意見はこちら。

「300人に1人がトランスジェンダーの人です。わたしたちはどこにでもいて、あなたがたの友だちや隣人なのです」とスミスは話した。「トランスジェンダーの中には、見た目ではすぐにトランスだとわからない人もいます。トイレ法が施行可能だという考えは、つまり、法的強制力の点でおかしいのです」

"We're about 1-in-300 people, we're all over the place, we're your friends and your neighbors," Smith said. "Some of us are not immediately obvious as trans. And the idea that you are going to be able to enforce a bathroom bill, I mean the enforceability is just not there."

イベントの場で知事に向かって大声で叫ぶこともできただろうけれど、「それではうまくいかないだろうと思った」と語るスミスさん。果たして上記のFacebookポストには5000件近くの「いいね!」が寄せられ、反応も肯定的なものが圧倒的に多かったとのことです。アボット知事は今後、私設の「セルフィー警察」でも用意して、一緒に写真に写ってほしがる有権者全員の出生証明書をいちいち確かめた方がいいんじゃない? それで州民の信頼が得られるのかどうか、はなはだ疑問ですけどね。