石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

『クィア・アイ』のジョナサン、ブロードウェイデビューへ

Queer Eye: Love Yourself. Love Your Life.

Netflixのリアリティ番組『クィア・アイ』の人気出演者、ジョナサン・ヴァン・ネス(Jonathan Van Ness)がブロードウェイのショウに出演すると発表されました。

詳細は以下。

Jonathan Van Ness Will Join CELEBRITY AUTOBIOGRAPHY on December 17

ブロードウェイのショウと言ってもミュージカルで歌って踊るというわけではなく、ジョナサンが出るのはCelebrity Autobiographyというコメディーショウ。俳優やコメディアンなどの有名人が、他の有名人の自伝を一字一句朗読することで笑いを誘うという趣旨のもので、どんな雰囲気かを知るにはクリステン・ウィグ(Kristen Wiig)が出た以下の回の動画なんかがわかりやすいんじゃないかと。

ジョナサンがこのショウに登場するのは2018年12月17日で、同じ『クィア・アイ』出演者で、先月このショウへの参加が報じられていたアントニ・ポロウスキ(Antoni Porowski)との共演になるようです。チケット購入は以下から。

Celebrity Autobiography - Celebrity Autobiography

トランス男性のプロボクサーがデビュー戦で歴史的勝利 米カリフォルニア州

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2018年12月8日、トランスジェンダー男性のボクサー、パトリシオ・マヌエル(Patricio Manuel)選手がプロデビュー戦を勝利で飾りました。米国のプロボクシングのリングで戦ったトランス男性*1は、マヌエル選手が史上初です。

詳細は以下。

Transgender Boxer Makes History, Wins Professional Debut

マヌエル選手はカリフォルニア州のファンタシー・スプリング・リゾート・カシノで行われた試合でスーパーフェザー級のメキシコ人ボクサー、ウーゴ・アギラル(Hugo Aguilar)選手と戦い、全員一致の判定勝ちをおさめました。現在33歳のマヌエル選手は、2012年には女子選手としてオリンピック予選に出場しています。その数か月後から身体的な性別移行(手術やホルモン治療など)を始め、2016年にオスカー・デ・ラ・ホーヤのゴールデン・ボーイ・プロモーションで男性ボクサーとしてのライセンスを得て、今に至るとのこと。

マヌエル選手の紹介動画と、12月8日の試合の最終ラウンドの動画はこちらです。

試合後の本人のコメント。

「何にも代えがたい経験でした。これまでくぐりぬけてきたことすべてと引き合うだけの価値がありました」とマヌエルは言った。「わたしはいまやプロボクサーなんです」

“I wouldn’t trade any of it. It was worth everything I went through to get to this point,” Manuel said. “I’m a professional boxer now.”

スペイン語のメディアMARCA Claro Méxicoでは、こんな談話も紹介されてました。

「これでたくさんの門戸が開かれるといいと思います。わたしたちは今、他のトランスジェンダーのファイターのための前例を築き上げているところなんです。わたしは、医学的処置を受けた後でも戦えるということの生き証人です。

"Espero que esto pueda abrir muchas puertas. Estamos sentando un precedente para otros peleadores transgénero. Soy un vivo ejemplo de que es posible competir después del tratamiento médico".

ちなみに対戦相手のアギラル選手が、マヌエル選手がトランスジェンダーだと知ったのは試合のわずか2日前だったんだそうです。にもかかわらず、Los Angeles Timesによれば、彼のコメントはこんなだったとのこと。

「わたしにとっては何も変わりませんよ。リングの中で、彼は勝ちたいと思い、わたしも勝ちたいと思ってるんです」

“It doesn’t change anything for me. In the ring he wants to win and I want to win too.”

プロ初勝利おめでとうございます、マヌエル選手。今後のご活躍も楽しみです!

*1:より正確に言うと、オープンリー・トランスジェンダーの男性

ライアン・マーフィーがウォーク・オブ・フェームに星ゲット

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『Glee』や『アメリカン・ホラー・ストーリー』などで知られる米ドラマ界のショウランナー、ライアン・マーフィー(Ryan Murphy)が、2018年12月4日、ハリウッドのウォーク・オブ・フェームに星を飾りました。

詳細は以下。

Pushing Small Screen Boundaries Led Ryan Murphy to Walk of Fame Star – Variety

セレモニーでのスピーチの動画はこちら。

一部訳:

わたしの生涯の夢は、ただ自分自身でいることでした。これには共感してくれる人も多いと思います。言いたいと思うことを言うこと、自分の心を動かす物語を創ること、女性や、年配の女性や、同性愛者や、トランスの人々や、不完全な男たちの物語を語ること。その夢は、本当にかないました。

My dream in life was just to be able to be myself, which I know many people relate to, to say what I wanted to say, to create stories that move me to tell stories about women, older women, gay people and trans people and flawed men. And that dream did come true.

同セレモニーではサラ・ポールソン(Sarah Paulson)やジェシカ・ラング(Jessica Lange)やグウィネス・パルトロウ(Gwyneth Paltrow)もスピーチを披露しました。

今年から始まった『Pose』も、『アメリカン・ホラー・ストーリー: Apocalypse 』も好評みたいだし、勢いに乗ってるよねライアン・マーフィー。この調子で突っ走ってほしいです。

地下鉄でホモフォビックな暴力 女性が脊椎骨折 米NYC

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2018年11月30日、米国ニューヨークシティーの地下鉄で男が女性に暴力をふるい、けがをさせました。ニューヨーク市警はこの男がホモフォビックな罵倒語を使っていたとし、ヘイトクライムとして捜査しています。

詳細は以下。

Woman suffers fractured spine in Queens subway attack, police investigating as hate crime | abc7ny.com

事件が起こった場所はクイーンズ。地下鉄の車両の中で20代女性と口論になった男が、立ち去ろうとしたその女性の後頭部を殴り、床に突き倒したのだそうです。女性は脊椎が折れ、男はそのまま逃走しました。

out.comによると、口論の発端は、この男が被害者女性が別の女性と軽いキスを交わすのを見て、彼女がレズビアンだと考えたことにある模様。警察は男の年代(50代)や身長体重(5フィート11インチ、220ポンド)などを発表して捜査を続けています

220ポンドというと、ボクシングならヘビー級の体重です。ヘビー級の男が女性の後頭部を背後から殴るだなんて、殺す気かよ。卑怯者め。それにだいたい、赤の他人の性的指向が何であろうとおまえに関係ないだろ。

それにしても米国の地下鉄内でのこういう事件、後を絶ちませんよねえ。ぱっと思い出せるだけでこれぐらい出てくるもん。

うんざりだ。

今週の未紹介LGBTニュース(2018年12月9日)

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今年のロックフェラーセンターのクリスマスツリーはレズビアン宅からの寄付

Rockefeller Center Christmas tree donated by lesbian Latina couple

冬の風物詩、NYロックフェラーセンターの特大クリスマスツリーにする木を、今年はあるレズビアンカップルが寄付したんだそうです。このカップル、リセッテ・グティエレス(Lissette Gutierrez)さんとシャーリー・フィゲロア(Shirley Figueroa)さんはアップステート在住で、今住んでいる家の前の持ち主から「そうだ、庭のあの木な? ロックフェラーセンターからずっと声をかけられてるんだよ」と言われ、なんだかんだでその全長72フィート重さ12トンのトウヒの木を寄付することになったとのこと。ブロンクス出身のフィゲロアさんにとって緑は特別大切なもので、木との別れはつらかったそうですが、「何かを切り倒したのなら、何かを戻さなくちゃ」ということで、大きなトウヒが植わっていた場所にこれから新しく何本か木を植えようと思っているとのこと。

ニューヨーク名物で、2016年にはレズビアン(ケイト・マッキノン)が点灯式をしてたあのツリーが、今年はレズビアン家庭からの寄付だなんて感慨深いわー。レズビアンがもっと不可視な存在だったころから、よくぞここまではるばる来たものよと思います。

プレミアリーグのチームがスタンドをレインボーに染める

Premier League club Watford fans make huge LGBT Pride flag in stands · PinkNews

イングランドのサッカークラブチーム、ワトフォードFCのファンたちが、2018年12月4日の試合で観客席をLGBTプライド・フラッグの色に染めました。これは英国のチャリティ団体ストーンウォールが始めたスポーツ界のLGBT支持を表明する運動、"Rainbow Laces"に触発されてのことなんだそうです。いいと思う。2018年11月28日に発表された調査結果によれば、サッカーの試合でのホモフォビックな事件は増加傾向にあるようだから、こうやって戦っていかねば。

ドラマ『グッド・プレイス』のジャネットがなんだかゲイゲイしいことに

Janet Just Got Super Gay on 'The Good Place'

Netflixで見られる米ドラマ『グッド・プレイス』のシーズン3第4話で、Siriがアンドロイドになったかのような(ややこしいな)女性型アシスタントのキャラクタ「ジャネット」(D'Arcy Carden)が、かなりゲイゲイしい(レズビアンレズビアンしい?)ことになってます。ネタバレ防止のため詳しい説明は省きますが、ふたりのジャネット同士であることをする場面が登場するんです。これらの場面を演じたD'Arcy Cardenによれば、撮影にはD'Arcy Cardenの身長とまったく同じ高さの円柱にプラスチックの唇をつけたものを使ったほか、クリステン・ベルとキスもしたのだけれど、きちんきちんと手順に従って動かなければならなかったので「まるで手術みたいだった」とのこと。

ネタバレOKな方は、公式による以下のハイライト動画をどうぞ。


トランス男子生徒を女子扱いし続けた教師を解雇 米バージニア州

Virginia teacher fired for continuing to refer to trans student as female

米国バージニア州のウエスト・ポイント・ハイスクール(West Point High School)で、FTMトランスジェンダーの男子生徒を女性代名詞で呼び続けたフランス語教師が解雇されました。この教師、Peter Valming氏は、「今男性という自認を持っている女子生徒に対して男性の代名詞は使わない」と言っているとのことですが、同校は彼を反差別・反ハラスメントのポリシー違反で解雇したとのこと。

なお、トランスジェンダーの人を本人の自認とは違うジェンダーの語(特に代名詞)で呼び続けることは"misgendering"と呼ばれ、これは一種の暴力行為だと言われています。詳しくは以下を。

トランス女性射殺さる トランスへの暴力反対訴えた3年後 米デトロイト

A Trans Woman Has Been Killed, Three Years After Speaking Out Against Anti-Trans Violence

2018年12月7日、米国ミシガン州デトロイトで、トランス女性のキアナ・マテル(Keanna Mattel)さんが遺体で発見されました。遺体には銃で撃たれた形跡がありました。

マテルさんは2015年に、近所に住むトランスジェンダーのアンバー・モンロー(Amber Monroe)さんが射殺されたとき、トランスへの暴力反対を強く訴え、警察の無知とシンパシーのなさを非難していた人でした。そのわずか3年後にこんなことになるなんて、暴力の連鎖がひどすぎる。

南アフリカで歴史的法案可決 公務員は同性婚を拒否できなくなることに

South Africa passes historic vote to protect civil unions from homophobes

南アフリカの国民議会が、シビルユニオン法の歴史的な改正を可決しました。これにより、同国の公務員が、自分の「良心、宗教(または)信念」を理由として同性カップルの結婚を拒否することはできなくなるんだそうです。Deidre Carter議員の調査によると、これまでは内務省の結婚担当の係員の約半数が同性婚をとりおこなう義務を免除されていた(そのため、同性カップルが、同性婚ができる係員がいないという理由で結婚を断られたという苦情があったんだそうです)けれど、これからはそうできなくなるとのこと。

米国は南アフリカの爪の垢を煎じて飲むべきでは?

ランディ・レインボーが「トランプのお気に入り」発表

'Trump's Favorite Things' Parody Is Funny Because It's Horrifying

米国のコメディアン、ランディ・レインボー(Randy Rainbow)が、ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の名曲「私のお気に入り」のパロディ「トランプのお気に入り」を発表しました。歌詞部分は全部字幕で見られるし、きちんと韻も踏んでるし、内容もタイムリーなものばかりです。

ケヴィン・ハートがアカデミー賞司会降板 原因は過去のホモフォビック発言

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米国のコメディアンで俳優のケヴィン・ハート(Kevin Hart)が、第91回アカデミー賞司会を辞退しました。原因は過去のホモフォビックな発言の数々。だいたいの経緯は上記リンク先の日本語記事でわかるかと思います。

2019年アカデミー賞司会、内定俳優が辞退 同性愛嫌悪ツイート問題で - BBCニュース

ただ、このBBCの記事も含めて日本語圏での報道はあまり詳しいとは言えない感じ。その上、メディアによっては怪しい訳や事実誤認によって「ケヴィンは謝っていたのにわざわざ過去ツイートを掘り起こされて降板させられた! ケヴィンかわいそう!」みたいないかにも平均的な日本人に好まれそうなストーリーを流布させようとしているかのような印象も受けました。これはちょっと目に余ると思ったので、もうちょっと詳しく「何があって、何が問題とされ、『謝罪』が出たのはいつなのか」を以下にまとめてみます。

ケヴィン・ハートは過去にどんな発言をしたのか

ツイートだけが理由で批判されたわけじゃないんです。スタンダップコミックや、そのあとのインタビューや映画プロモーションツアーなどでの発言などにも問題があったと The Guardianが報じています。以下にいくつか引用して訳します。

2010年のスタンダップコミックでの発言

俺がもっとも恐れていることのひとつは、息子が大きくなってゲイになること。そりゃあ怖いわ。言っとくが俺はホモフォビックじゃないよ。ゲイの人たちには何の反感も持ってないし、ご多幸を祈ってる。好きにしてくれ。でも俺は、異性愛者の男なんだから、もし自分の息子がゲイになるのを阻止できるんならそうするよ。ただ、それはそれとして、息子の初めてのゲイな瞬間を俺が操作できるのかどうかはわからない。どんなガキにもゲイな瞬間はある。でもその瞬間が来たら、つぼみのうちに摘み取らなきゃ!

One of my biggest fears is my son growing up and being gay. That’s a fear. Keep in mind, I’m not homophobic, I have nothing against gay people, be happy. Do what you want to do. But me, being a heterosexual male, if I can prevent my son from being gay, I will. Now with that being said, I don’t know if I handled my son’s first gay moment correctly. Every kid has a gay moment but when it happens, you’ve got to nip it in the bud!

2009年~2011年のTwitterでの発言

上で紹介した The Guardianの記事を書いたベンジャミン・リー(Benjamin Lee)氏は、2018年12月6日、以下のツイートにケヴィン・ハートの過去ツイートの画像を載せ、「ケヴィンはいつ昔のツイートを消し始めるんだろうと思っている」とつぶやいています。リー氏が言っていることが正しいのなら、少なくとも12月6日まで、これらのツイートはケヴィン・ハートの公式アカウントから世界に向かって発信されていたと考えられます。

上記ツイートの添付画像より、ケヴィンの2011年1月11日のツイート訳:

おい、もし俺の息子が家に帰ってきて、娘の人形の家で遊ぼうとしたら、俺はそいつを息子の頭に叩きつけて壊して、「やめろ、それはゲイだ」って口に出して言うよ。

Yo if my son comes home & try's 2 play with my daughters doll house I'm going 2 break it over his head & say n my voice "stop that's gay"

(注:日本語のメディアで、"break it over his head"の部分を『頭の上で壊す』と訳しているものを見かけましたが、誤訳だと思います。英語でbreak sth on one's headと言えば、以下の動画みたいな動作のことでしょ。物を頭にぶつけて壊すんだよ)

続き。同2010年1月20日のツイート訳:

なんで@DamianDWのプロフ写真はAIDSのためのゲイの看板っぽいんだ……ドッカーン、おれ今夜炎上する

Why does@DamianDW profile pic look like a gay bill board for AIDS.........Booom, I'm on fire tonight

同2009年7月22日のツイート訳:

なんで@wayne215は俺の写真をあんなにたくさん電話に入れてるんだよ?おまえ何なんだよ、小柄な黒人男の写真を一日中撮ってるデブ釜とかか?

Why does @wayne215 have so many pictures of me in his phone!!! What ru some type of FAT FAG that takes pic of small black men all day?

同2009年7月18日のツイート訳:

@dwadeofficialはこういう風に質問すべきだ、「ワイシャツを着るとき汗をかく『ゲイの』男は何人いるのか」 男らしい男は汗をかかないからな 爆笑 p.s ホモ野郎

@dwadeofficial u should ask the question like this, how many "gay"men sweat when they wear dress shirts because real men don't lmao p.s fag

これらの発言について「謝罪済み」だったのか?

2015年のインタビューでは

2015年のRolling Stoneでのインタビューで上記のスタンダップコミックでの発言について聞かれたケヴィンは、「今だったらあのジョークは言わない。あれを言ったときには時代が今ほどセンシティヴじゃなかった。人間は別にたいしたことじゃないことで大騒ぎするのが大好きなんだと思う」と話しています。これは「謝罪」じゃないですね。

最近のSNSでは

2018年12月6日15:53 - 15:58のツイート

訳:

今日うちの子供たちから電話で最高にすばらしい質問をされた。「パパ、どうしてインターネットでパパのことを言われて怒らないの」って言われたんだ。俺の答えは、「パパはそういうのは全然見てないんだ、幸せでいることと、おまえたちふたりを愛することで忙しいから」

I was asked the most amazing question from my kids today on the phone....they said "Dad why don't you get mad when people talk about you on the internet" ...my answer was "I never see that stuff because I'm to busy being happy & loving you 2"

それから子供たちに、怒ってる人たちが大好きな場所から遠くにいると、怒ってる人たちが何を言っているのか知るのは難しいんだと説明した。怒ってる人たちはインターネットが大好きなんだ……だからインターネットは必要なときだけ使うようにしろ、あとは人生を楽しむんだと言った。


I then explained to them that it's hard to know what angry things people are saying when you stay away from the places that angry people love. I said angry people love the internet... so use it only when necessary and spend the rest of ur time enjoying life.

これも謝罪ではないですね。

2018年12月7日(8:21頃?*1)のInstagram動画

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Stop looking for reasons to be negative...Stop searching for reasons to be angry....I swear I wish you guys could see/feel/understand the mental place that I am in. I am truly happy people....there is nothing that you can do to change that...NOTHING. I work hard on a daily basis to spread positivity to all....with that being said. If u want to search my history or past and anger yourselves with what u find that is fine with me. I’m almost 40 years old and I’m in love with the man that I am becoming. You LIVE and YOU LEARN & YOU GROW & YOU MATURE. I live to Love....Please take your negative energy and put it into something constructive. Please....What’s understood should never have to be said. I LOVE EVERYBODY.....ONCE AGAIN EVERYBODY. If you choose to not believe me then that’s on you....Have a beautiful day

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動画内の発言抜粋:

この世界は超イカレたもんになりつつある。俺はそのイカレ具合のせいでイライラしたり腹を立てたりするつもりはない。

Our world is becoming beyond crazy. I'm not going to let the craziness frustrate or anger me.

あのな、俺はもうじき40歳だ。もしあんたらが人間は年とともに変化し、成長し、発達するってことを信じていないのなら、何を言っていいのかわからん。人間をいつも自分の過去を正当化したり説明したりしなきゃいけないような立場に置いておきたいのなら、自分その立場に置いとけよ。俺を選ぶのは間違いだ。

Guys, I’m almost 40 years old. If you don’t believe that people change, grow, evolve as they get older, I don’t know what to tell you. If you want to hold people in a position where they always have to justify or explain their past, then do you. I’m the wrong guy, man.

やっぱり「謝罪」はしてませんね。要するに、(1)自分が批判されているのは世界がおかしいからだ、(2)年をとったので過去のやらかしは自動的にチャラにしてもらっていいはずだと主張しているだけ。

2018年12月7日(12:31頃?*2)のInstagram動画

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I know who I am & so do the people closest to me. #LiveLoveLaugh

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ついさっきアカデミーから電話があって、その電話は基本的にこんなことを言ってた。「ケヴィン、昔のツイートのことを謝罪しろ、でないとこちらは諦めて別の司会を探さなきゃならなくなる」。2009年と2010年のツイートの話だ。俺はやめた、やめといた、謝罪するのを。なぜかというと、これについては今までに何回か言及しているからだ。この話が持ち上がったのはこれが初めてじゃない。これまでにも話はした。何が正しくて何が間違ってるのか話してきた。昔の自分と今の自分の違いも話した。もうやったんだ。

I just got a call from the academy and that call basically said, 'Kevin, apologize for your tweets of old or we're going to have to move on and find another host.' They're talking about the tweets from 2009, 2010. I passed, I passed on the apology. The reason why I passed is I've addressed it several times. That’s not the first time this has come up. I've addressed it. I’ve spoken on it. I've said where the rights and wrongs were. I've said who I am now versus who I was then. I've done it.

こちらも別に謝罪じゃないですね。ひょっとしたら日本の一部メディアが、ケヴィンはとっくの昔に謝っていたのに今もまだ非難されているのだーひどいひどいーみたいな論調を張ろうとしているのは、この動画の「今までに何回か言及している(I've addressed it several times.)」の部分を聞き間違えたか、ものすごく好意的に「この"address"というのは謝罪のことに違いない!!」と拡大解釈しまくったかのどちらかなのかもしれないと思います。

2018年12月7日14:01のツイート

訳:

今年のオスカーの司会から降板する選択をしました……降板の理由は、多くの才能あるすばらしいアーティストたちによって祝われるべき夜の妨げにはなりたくないからです。過去のわたしの心ない発言について、LGBTQコミュニティに対し、心から謝罪します。

I have made the choice to step down from hosting this year's Oscar's....this is because I do not want to be a distraction on a night that should be celebrated by so many amazing talented artists. I sincerely apologize to the LGBTQ community for my insensitive words from my past.

ここに至ってようやく謝罪発言が出てきました。今回、このエントリを書くにあたって、Googleの期間指定検索でこれ以前にケヴィンが過去のホモフォビックな発言について何らかの謝罪をしていないかどうか調べたんですけど、これ以外の謝罪は少なくとも自分には見つけられませんでした。

ケヴィンの謝罪はどう評価されているのか

INTOの以下の記事で、黒人レズビアンのライターのKinsey Clarkeさんが「不誠実な謝罪」と言い切ってますな。

For Black Queers, Kevin Hart's Insincere Apology Isn't Surprising

Clarkeさんによればケヴィン・ハートが過去にしたようなホモフォビックな発言はシスヘテロの黒人男性には珍しくないもので、これはハート個人の問題ではなく、もっと深いところに根があるのだとのこと。そもそもブラックカルチャーの中にホモフォビックな会話が蔓延していて、それが小さな男の子に受け継がれていくという悪循環があるとClarkeさんは指摘しています。実際、黒人男性コメディアンの世界でも、エディー・マーフィー(Eddie Murphy)もバーニー・マック(Bernie Mac)もマーティン・ローレンス(Martin Lawrence)も同性愛者を笑いのネタにしてきたという系譜があり、この一連の騒ぎでハートの考えが変わったかどうかはわからないというのがClarkeさんの意見。ああ、これには同意だわ。あと、以下のくだりにも首肯。

要するに、もちろんハートと彼のファンたちはハートは犠牲者だと思い、彼に敬意と、LGBTQの人々に関する過去発言についての誠実な謝罪を求める人たちのことは「インターネットの荒らし」だと思っている。

In all of this, of course, Hart and his fans find him to be the victim and the people who demand respect and a sincere apology for his past comments about LGBTQ people are “internet trolls.”

たぶん、日本の一部のメディアが広めたがっているのもこういう見解なんじゃないかと。

個人的雑感など

長くなってきたので、以下、箇条書きで。

*1:本人がTwitterでこのInstagramポストを告知した時間が8:21でした。

*2:本人がTwitterでこのInstagramポストを告知した時間が12:31でした。

「ゲイの」10歳児、継父に頭から床に落とされていた 妹が証言 米カリフォルニア州

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ゲイの10歳児殺害のカップルに容疑追加 死刑の可能性も - 今週の未紹介LGBTニュース(2018年10月7日)」の続報。亡くなった少年の妹が、少年は母親のボーイフレンドによって何度も頭から床に落とされていたと大陪審で証言しました。

詳細は以下。

Sister: Step-dad killed 'gay' boy, 10, by dropping him on his head 10 times

この事件の概要について、以下、「ゲイの10歳児殺害のカップルに容疑追加 死刑の可能性も - 今週の未紹介LGBTニュース(2018年10月7日)」から引用します。

米国LAでゲイとしてカミングアウトした10歳の男児を殺害したとして逮捕された母親と内縁の男に対し、この殺害が意図的なもので、拷問の行為が含まれていた疑いが追加され、死刑となる可能性が出てきたそうです。

この母親、ヘザー・バロン(Heather Barron)容疑者の息子、アンソニー・アバロス(Anthony Avalos)くんは2018年6月、LA郊外の自宅でたばこのやけどだらけの遺体となって発見されています。彼は亡くなる前、男の子が好きだと発言したばかりでした。地区検事局の主張によれば、バロン容疑者はボーイフレンドのカリーム・レイヴァ(Kareem Leiva)容疑者とともにアンソニーくんの顔面にホットソースをかけたり、ベルトなどで鞭打ったり、逆さまにして何度も頭から落としたり、家具に叩きつけたりしていたとのこと。さらに、食事を与えないとか、反対に無理やり食べさせるとか、トイレに行かせないなどの虐待もしていたんだそうです。

アンソニーくんは栄養失調で、全身にあざとやけどの後があり、頭部に重傷を負っていました。母親は救急に電話をしたとき、彼のけがについて「階段から落ちた」と説明していたのですが、Gay Star Newsによればアンソニーくんの8歳の妹の証言はこう。

「ママがアンソニーに病院に行くよと言った日の前の夜、カリームがアンソニーの脇のところを持って体を持ち上げて、床に落とした。それを10回ぐらいやった」

‘The night before my mom told Anthony that they were gonna go to the hospital, Kareem picked him up from his armpits and dropped him on the floor. He did that about 10 times.’

この妹によれば、翌朝起きたアンソニーくんは「ちょっと変」で、「ママは病院に行くと言ったけど、アンソニーは寝たいと言った。ママはしばらく寝かせておいて、そのあとアンソニーが起きて、『息をしてない』とママが言った」とのこと。

検察は、バロン容疑者とレイヴァ容疑者は、アンソニーくんが男の子が好きだと言ったために「激しい拷問」(severe torture)を加えたとして、拷問をともなう殺人の容疑でふたりを起訴しています。PinkNewsによると、両容疑者はともに無罪を主張しているそうです。

Friedman (2011)*1によれば、性的マイノリティの子供は非マイノリティの子供より親または保護者からの身体的虐待に遭いやすい傾向にあるのだそうです。それが最悪の結果となって表れたのが、今回の事件だと思います。 abc7chicago.comはこの一件の裁判の日程はまだ決まっていないと報じていますが、続報を読むのが気が重いです(このエントリではかいつまんでしか紹介してないけど、レイヴァがやってた虐待って、読めば読むほどひどいのよ。キャリー・ホワイトの母親が天使に思えてくるレベルよ)。

*1:Friedman, M. S. (2010). A Meta-Analysis of Disparities in Childhood Sexual Abuse, Parental Physical Abuse, and Peer Victimization Among Sexual Minority and Sexual Nonminority Individuals. American Journal of Public Health, 101, 1481–1494.