DC Comics Booth / Gage Skidmore
米フロリダ州のゲイ・ナイトクラブで2016年6月に起こった銃撃事件の被害者を支援するため、同国の漫画出版社DCコミックスとIDWパブリッシングが協力して全144ページのコミック本を出すそうです。タイトルはLove Is Love。
詳細は以下。
Comic Book Artists Create Publication to Honor Orlando Victims - The New York Times
Love Is Loveの表紙はこちら。イラストはRafael Albuquerqueが担当しています。
Comic creators come together for Orlando benefit book LOVE IS LOVE, published by @IDWPublishing with support of DCE: https://t.co/UkHHe4SXYc pic.twitter.com/yY1mRIFPzB
— DC (@DCComics) 2016年9月20日
このコミックに参加するクリエイターはDamon Lindelof、Patton Oswalt、Phil Jimenez、Olivier Coipelなどで、1冊の中に1~2ページの物語が100話以上収録されているとのこと。価格は9ドル99セントで、2016年12月発売予定。収益は、公民権団体「イクオリティ・フロリダ(Equality Florida)」と、同州のナイトクラブ「パルス」の銃乱射事件で被害を受けた人々への支援に使われるとのことです。
ここ数年、アメコミ界ってすごい勢いでLGBTキャラが増えてると思うんです。うちで紹介した例を挙げると、このへん。
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- アメコミ『バットガール』のアリシアがトランス女性とカミングアウト DCコミック初のトランスキャラに - みやきち日記
- ワンダーウーマンに女性の恋人が(ついに!)できるらしいよ - 石壁に百合の花咲く
- 『X-Men』アイスマンがゲイに。シリーズ創始者スタン・リーの反応は? - 石壁に百合の花咲く
- アメコミ『Alters』シリーズにトランスジェンダーのスーパーヒーロー登場 - 石壁に百合の花咲く
これだけでも進歩だと思うのですが、単にビジネスのためにLGBTキャラを作品に出して終わりではなく、現実のLGBTコミュニティーへの支援も忘れないってところが実にいいですねえ。Love Is Loveのオーガナイザー、Marc Andreyko氏がとてもいいことをおっしゃっているので、最後に訳しておきます。
「ぼくは80年代の子で、『ウィ・ア-・ザ・ワールド』や『ライブエイド』と共に育ったんですよ」
“I’m a child of the 80s; I grew up with ‘We Are the World’ and Live Aid,”
「こういう事件のときに分断は禁物です」と彼は言った。「彼ら(訳注:被害者やその周囲の人々のこと)はつらい思いをしているはずですし、ぼくらが良い方向へと変化を起こしたいと思うのは当然です」
“Events like this shouldn’t be compartmentalized,” he said. “They should hurt and we should want to change for the better.”