石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『この願いが叶うなら』(袴田めら、一迅社)感想

百合の名手袴田めらさんによる切ない短編集。キスやセックスの官能も、胸に刺さる残酷さも、皆よかった。わかりやすい結末が懇切丁寧に提示されなければ納得できない方には不向きな1冊かもしれませんが、あたしはとても楽しく読みました。

『ゆるゆり(1)』(なもり、一迅社)感想

旧茶道部の部室にたむろす「娯楽部」の4人と、娯楽部に絡む生徒会の面々が繰り広げるまったり系ギャグ漫画。脳髄をもみほぐされるようなアホなゆるさがたまらん作品です。百合方面についても、萌えあり妄想あり友情ありでたいへん美味しゅうございました。

『君が僕を〜どうして空は青いの?』(中里十、小学館)感想

君が僕を~どうして空は青いの?~ (ガガガ文庫)作者: 中里十,山田あこ出版社/メーカー: 小学館発売日: 2009/07/17メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 30回この商品を含むブログ (22件) を見る読者を翻弄する変化球百合小説商売繁盛の神様“恵まれさん”をしてい…

『百合心中〜猫目堂ココロ譚』(東雲水生、一迅社)感想

迷った心を救う骨董屋「猫目堂」を軸とする百合短編集。恋の甘さだけでなく、人を恋う心のダークな面もチクリと描いていくところが秀逸。ただし、一部の展開の古さや、不健康な関係をロマンティックに美化してしまう傾向だけはちょっと気になりました。

『マイナスりてらしー』(宮下未紀、一迅社)感想

没落した名家のお嬢様「康光(やすみ)」と、お嬢様を支えるメイド「美晴(みはる)」が織りなす極貧百合コメディ。「テンポの良さ」と「メリハリ」と、「極上のハッピーエンディング」の3要素が揃った、すばらしい百合漫画でした。

『たまとたまと(1)』(ちんじゃおろおす、グリーンアロー出版社)感想

17歳の女子高生「葵」が巫女の「たま」と同居するという、ライトな和風伝奇百合漫画。ホモフォビアはなく、百合部分もほのぼのしていて、楽しく読めました。ただし、お話の流れや画面構成、台詞回しなどにはかなり荒削りな印象も残ります。

『紅! 愛舐女学院』(黒河澪、松文館)感想

「愛舐(えなめる)女学院」(通称エナ女)なる全寮制女子校の生徒達の痴態を描くエロ漫画です。絵こそ綺麗なものの、百合/レズビアンものとしては今ひとつかと。というのは、女性同士の間にエロはあっても愛がなく、そのエロもヘテヘテで下手そうだから。

『雲の路』(すえひろがり、コアマガジン)感想

露出願望のある女子高生「ハナ」と、理解あるクラスメイトたち(男女両方)が、一歩また一歩と集団露出プレイの道を歩んでいくという18禁エロ漫画。濃厚なエロスと爽やか友情ストーリーの取り合わせが面白いし、女同士の性愛描写のきめ細かさもよかった。

『鬼ごっこ(4)』(黒柾志西、一迅社)感想

表紙もクライマックスも百合百合しいっちゃ百合百合しいんですが、肝心のストーリーが消化不良すぎて喜べません。「継ぐ者の意思」設定は一体どこ行っちゃったんですか。キヨの役割も中途半端だし、ヒロイン頼子が最後までヘタレのままだったのもどうかと。

『える・えるシスター(2)』(邪武丸、一迅社)感想

身長179cm(自己申告)の妹「ふたば」を溺愛する姉「一菜」の行き過ぎた姉妹愛を描く百合コメディ、第2巻。相変わらず一菜のほとばしる愛情と欲情が描かれる一方で、異性愛規範色は1巻より薄まっており、ストレスなく読むことができました。

「サンデー・タイムズ」の、サラ・ウォーターズのインタビューが面白い

ミステリマガジン 2009年 05月号 [雑誌]出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2009/03/25メディア: 雑誌購入: 1人 この商品を含むブログ (7件) を見る孫引きになってしまうんですが、「ミステリマガジン」2009年5月号(pp. 170 - 171)に引用されているサラ・ウ…

『PUREまりおねーしょん(1〜3)』(高木信孝、一迅社)感想

アンドロイド少女が人間の女のコに恋する百合ラブコメディ。やたらと甘ったるすぎないところも、それでいて最終的にはラブラブに終わるところも好印象。同性愛嫌悪ならぬアンドロイド嫌悪でお話を引き締めているところも興味深いと思います。おすすめ。

『ももいろスウィーティー(1〜4)』(ももせたまみ、白泉社)感想

三十路の未亡人「春花」とその娘「夏海」、家政婦の「サエコ」、夏海の先生「ヒロコ」の4人を軸に繰り広げられる、ちょっと下ネタ多めの4コマ漫画。ガチ百合恋愛の部分もよかったし、何より生き生きした人間臭いキャラたちが良くて、とても楽しく読めました。

『おとして↓アプリガール(3)』(望月菓子、スクウェア・エニックス)感想

新米教師「黒瀬潤(くろせうるみ)」が人工知能の少女たち「アプリガール」とともに繰り広げる微百合コメディの完結編。意外にもシリアス方面の盛り上がりを見せ、感動的な結末を迎えています。今回はホモフォビックな表現もほぼなく、安心して読めました。

『クイーンズブレイド -Hide&Seek- (3) 』(南崎いく、角川書店)感想

女王の座をかけた戦い「クイーンズブレイド」に出場する女闘士たちのアクションファンタジー、第3巻。1〜2巻と違い、レズビアニズムへの偏見色はずいぶんと薄くなっています。エリナとレイナの姉妹再会シーンも、ひねりがきいていて面白かったです。