石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

漫画

『はやて×ブレード(17)』(林家志弦、集英社)感想

16巻を読んだときにはどうなることかと思ったのに、何このみごとな17巻。キャラ紹介を兼ねた導入部の作り込みといい、久々の百合っぽさといい、少年漫画のパロディ的なおもしろさといい、大満足の1冊でした。大きな伏線も着々と回収され始めてるし、信じて読…

『はやて×ブレード(16)』(林家志弦、集英社)感想

新制服に次いで新ルールが導入され、さらに複数の新キャラ登場と、正直「なんでここで今さら」感が色濃く漂う展開でした。おばちゃん、今ひとつ頭がついていきません。一応大筋に新たな動きはあるものの、やってることは「しばらく陽が当たってなかった旧キ…

『はやて×ブレード(15)』(林家志弦、集英社)感想

玲と紗枝のお家のごたごたに、一応の決着が。そこでのふたりの表情や言動が痛快だし、このふたり以外のキャラも大いに関与しているところも楽しかったです。これってつくづく女の子をエンパワメントする漫画だよなー。ただのギャグ作品じゃないよなー。

『はやて×ブレード(14)』(林家志弦、集英社)感想

天地学園頂上決定戦に、ついに決着が。最後までまったく先が読めない展開で、特に勝敗が決まってからの流れには唸らされました。火花散るバトルも、刃友の絆も、それぞれ熱くてよかったです。細かいギャグの数々も相変わらず楽しかった。

『とある科学の超電磁砲(8~9)』(冬川基[画]/鎌池和馬[原作]、アスキー・メディアワークス)感想

一見幕間的な部分かとも思われた体育祭(大覇星祭)エピソードから、話は一挙に急加速。二転三転するスリリングな展開が小気味よいです。百合っぽさについては9巻に注目。信頼の絆から切ない号泣展開まで、各種取りそろえられております。

『とある科学の超電磁砲(7)』(冬川基[画]/鎌池和馬[原作]、アスキー・メディアワークス)感想

御坂美琴と上条当麻が順調にヘテロラブを深めているため、「男イラネ」「男女恋愛イラネ」派にはまったく合わなさそうな内容となっております。しかし美琴と御坂妹とのつながりや、サブキャラどうしの友情譚には、見ごたえのある名シーンが続出。

『ゆるゆり(11)』(なもり、一迅社)感想

やっとレビューが最新刊に追いついた……! 11巻はどの回も堅実に笑わせてくれる上に、これはと思う部分も多く、よかったです。ギャグではアメコミ風絵柄の回が、百合ではちなつと結衣の意外にも正攻法な展開の回がそれぞれイチオシ。

『ゆるゆり(10)』(なもり、一迅社)感想

第64話ラストの鮮やかさや、第67話の延々続く地口の応酬がおもしろかったです。これらの落語にも通じる笑いのテクニックに、『ゆるゆり』はもはや人間の業を肯定する百合漫画にまで昇華したのかもと思ってみたり。

『ゆるゆり(9)』(なもり、一迅社)感想

巻末のおまけまんがに爆笑しました。いっそこの路線のスピンオフで1冊単行本を出してほしいぐらいです。本編については、今回は鼻血ネタに頼り切らずに百合妄想にオチをつけていたところが新しいかなと。ギャグも相変わらずよかったです。とくに馬。

『ゆるゆり(8)』(なもり、一迅社)感想

第59話に思わず「やられた」と思いました。「通じ合う心と心」みたいなものが美化されがちな百合業界で、ここまで反対方向のギャグをぶちかまして笑いを取るとは、さすが『ゆるゆり』。

『ゆるゆり(5~7)』(なもり、一迅社)感想

レビュー書き再開を機に1~7巻を通読して思ったのが、これってつくづく不思議な位置にある漫画だということ。タイトルに「ゆり」の2文字はあれど、百合な予定調和は皆無なんですよねこの作品。この洒脱さ、平静さこそが本作の最大の魅力なのでは。

『ミカるんX(7~8)』(高遠るい、秋田書店)感想

「ミカ」と「るんな」の合体した巨大美少女戦士「ミカるんX」の戦いを描くSF漫画。8巻で完結。バトルにつぐバトルの連続にはやや食傷ぎみにもなりましたが、深遠なテーマをはらんで物語がたたまれていく(むしろ、開いていく?)ところがおもしろかったです…

『青い花(8)』(志村貴子、太田出版)感想

「なるほど、こう来たか!」と驚きつつも納得しまくった最終巻でした。いやー、よかった。これまで『青い花』を読みながら「ここがいいなあ」と思った部分にはターボがかかっているし、予想外のオチも鮮やかで、ドキドキしたりニヤニヤしたり大変でした。

『青い花(7)』(志村貴子、太田出版)感想

いよいよ大詰め、第7巻。ぞくりとするような残酷な場面があり、「さすがは『青い花』」と感じ入りました。女子高生たちのキラキラしたかわいさを追求しつつも、決して甘いだけのお話にはならないんですよね。それだけに、キス(や、それ以上のこと)の場面の…

『青い花(6)』(志村貴子、太田出版)感想

巻末の描き下ろし短編「若草物語」(今回は2話収録)が息を呑むほど鮮やか。本編はゆっくりめの展開ですが、女の子同士の欲望から目をそらさない話運びがよかったです。

『しまいずむ(3)』(吉富昭仁、芳文社)感想

「姉妹たちしかでてこない」(帯より)、おバカでキュートな傑作百合コメ、堂々の完結。相変わらず脱力系のギャグが冴えわたる一方で、気がつけばガチカプが4組もできているし、フェティシズムにあふれたエロ表現もたいへんなことになっています。

『しまいずむ(2)』(吉富昭仁、芳文社)感想

互いの妹にハァハァするヘンタイ(誉め言葉)女子中学生・遥と芳子が主人公の百合コメディ第2巻。このシリーズの魅力をひとことで言うなら「バカと官能の奇跡のコラボレーション」でありましょう。新カプ登場にもぶれることなくこの路線を突き進む姿勢に、た…

『かなめも(6)』(石見翔子、芳文社)感想

新聞少女たちが主役の百合4コマ、堂々完結。……のはずなんだけど、伏線はどこ行った。思わせぶりにみかの密偵(?)が出てきたわりにはたいした役割も負わず退場してしまうし、かなの家族問題にしてもずいぶんあっさり片付いてしまうしで、読んでてちょっと拍…

『かなめも(5)』(石見翔子、芳文社)感想

新聞専売所が舞台の百合4コマ、第5巻。はるかのセクハラネタもみかの妄想暴走ネタも類型的になってきてるし、言葉尻やら偶然頼みやらでなんでもかんでも微エロに持って行く傾向もあざといなー…と斜に構えて読んでいたのに、ユメとユーキのラブさにノックアウ…

『はやて×ブレード ウルトラドラマCD さんばん星! 漂流つめあわせ!』感想

生徒会慰安旅行のはずが、天地の自家用ヘリが壊れて無人島にたどりついたという設定のドラマCDです。収録作は「ひつぎと静久の砂あそび」「シドとナンシーの野外フェス」「玲と紗枝の鍾乳洞」「天地学園・おもいでモロモロ完結編」。

『とある科学の超電磁砲(6)』(冬川基[画]/鎌池和馬[原作]、アスキー・メディアワークス)感想

学園都市を舞台とする超能力アクション漫画、第6巻。上条当麻の見せ場と、御坂美琴の覚悟がよかったです。ひょっとしたら、美琴が当麻に急接近していることを不満に思われる百合好きさんもいらっしゃるかもしれません。でも、そのぶん黒子が健闘しているし、…

『ささめきこと(8)』(いけだたかし、メディアファクトリー)感想

女子高生2人のじれったいラブストーリー、第8巻。7巻に「主人公、半笑いで異性愛主義に迎合」てな部分があったので、この8巻を読むのは正直ちょっと怖かったんですよ。が、今回はホモフォビアを「暴力」としてはっきり批判するシークエンスがあり、胸をなで…

『蝋燭姫(2)』(鈴木健也、エンターブレイン)感想

中世末期ヨーロッパが舞台の百合ドラマ、ここに完結。いやあ良かった。苛酷な運命の中、スクワとフルゥがただの小娘に立ち返って見いだす美しくて心地よいものの重みに身震いしました。上質のラブストーリーであると同時に、卑なるものとされる「女」たちに…

『ブルーフレンド(1~2)』(えばんふみ、集英社)感想

『りぼん』に連載された、女子中学生同士のガール・ミーツ・ガールもの。キスシーンも複数回出てきますが、分類としては「百合になりそうでなりきれない、思春期女子の複雑な友情もの」になるかと。ティーン女子にありがちなイタさや独占欲はうまく描けてる…

『くろよめ』(かずといずみ、芳文社)感想

嫁に行くより嫁が欲しい35歳のキャリアウーマン・光子。泥酔した翌朝目を覚ますと、「世界嫁派遣協会」なる謎の団体からキュートな「お嫁さん」が派遣されていて――という衝撃の出だしで始まる百合コミック。一見エロゲ的なトンデモ設定に見えて、実は深い。…

『タンデムLOVER』(カサハラテツロー、芳文社)感想

戦闘用タンデマイン(2人乗りロボット)のパイロット養成学校を舞台とする学園百合物語。1話ごとに主役カップルが交代していくスタイルの連作集で、とんでもなく面白かったです。無骨なメカと少女たちのみずみずしい感情とのとりあわせがなんとも楽しく、ワ…

漫画『花宵道中(4〜5)』(斉木久美子[画]/宮木あや子[原作]、小学館)感想

遊女たちのかなわぬ恋を哀切をこめて綴る小説『花宵道中』のコミック版。5巻にてついに完結です。いやあ、よかった! 連載開始前、掲載誌が『女性セブン』ってことで、レディコミみたいになったらどうしようとか、百合部分がカットされたらどうしようと案じ…

『学校のせんせい(3)』(巣山真也、スクウェア・エニックス)感想

新米女教師のドタバタな毎日を綴る学園コメディ、第3巻。淡々とした日常ギャグが主体で、百合ネタはゆり子絡みでうっすら出てくるのみです。それも恋というより萌え/憧れ系のネタが大半なので、百合目当てで買うのはおすすめしません。

『やさしい教師の躾けかた。(1)』(宙、一迅社)感想

内気で弄られキャラな女教師が、ドSな小学生女子たちに(わりと性的な意味で)いたずらされまくるというギャグ4コマ。乳は揉むわパンツは下ろすわと行為そのものはかなりやりたい放題ですが、根底に愛と受容がほの見えるため、ぎりぎりのところでセクハラ賛…

『さくらリンク(2)』(河南あすか、一迅社)感想

鉄オタ、ミリオタ、同人女など、さまざまなオタ女子たちがキャッキャウフフする萌え4コマの第2巻。これで完結です。キャラクタが1巻よりのびのびと動き回っているし、百合ネタも濃度が上がっているしで、とても楽しく読みました。これならライトな百合ものと…