石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

2010-01-01から1年間の記事一覧

『ナイフエッジガール』(古街キッカ、一迅社)感想

表題作及び「graffiti」「トゥルトフロマージュ」「no title」の3編が収録された百合作品集。どのお話もラブラブなのにさらりとした雰囲気があり、よかったです。ウジウジした描写が珍重されがちな百合ジャンルで、この爽やかさは貴重かと。

『ヒメ・コイ』(マシュー正木、一迅社)感想

「桜」と「緑」の2人の女子高生が、乙女の恋を助ける「ヒメコイ部」として頑張る百合コメディ。百合恋愛のとらえ方が終始ポジティブなところが好印象でした。ただし、少年誌のギャグ漫画を思わせる独特の絵柄や、パンツ全見せなどの下品ギャグは、読み手によ…

『くちびるに透けたオレンジ』(ロクロイチ、一迅社)感想

美しい転校生に悶々と片想いする、シャイな欲求不満少女の物語。一部「映画『ルームメイト』かよ!?」と思ってしまうような部分があり、あたしにはちょっと合わない感じでした。クライマックスのエロゲチックな都合の良さも気になるところ。

『Raubritter*』(再田ニカ、一迅社)感想

女のコ専門で人助けする秘密クラブ「Raubritter」(ローブリッター)の物語。序盤でいきなり3P突入というフルスロットルな展開に惚れました。キャラ立ても手堅いし、話運びのテンポもよく、1冊で終わってしまうのがもったいない作品かと。

『sweet guilty love bites』(天野しゅにんた、一迅社)感想

「club野ばら」に勤めるキャバ嬢たちの、コミカルでキュートな百合ラブストーリー。オムニバス形式で計3話が収録されており、どのお話もすっげーよかったです。メインキャラが全員オトナ(20〜22歳)であるところがまず好感度大だし、たかが性別ぐらいでいち…

『flower*flower(2)』(石見翔子、一迅社)感想

陰謀うずまく王宮百合ラブロマンス第2巻。1巻の衝撃のラストに、てっきり「この後怒濤の展開が!?」と思っていたのですが、意外にも恋も謀略もかなりのスロー展開でした。1巻のあのしたたるような色気もなりをひそめ、今回もっとも色っぽいのは表紙です。

『ひなぎく純真女学園(3)』(ふくやまけいこ、徳間書店)感想

セレブ女子高生「樫宮アミ」から清貧メガネっ娘「木成ユイ」への想いを綴る4コマコメディ最終巻。百合として読むには正直失速感のある終わり方でした。お話の流れに「成長=異性愛の受容」という気配が漂うところにも首をかしげざるを得ません。

『蓬莱ガールズ(2)』(山田瑯、講談社)感想

お嬢様とゾンビ少女の冒険譚、第2巻。驚くなかれ、早くも最終巻です。あわただしい話のたたみ方を見るに打ち切りだったようで、かえすがえすも残念に思います。「少女と少女のバディ物」兼、ロードムービーならぬ「ロード漫画」として、期待してたのになあ。

『える・えるシスター(4)』(邪武丸、一迅社)感想

ノッポな少女「ふたば」と、そのストーカー気味の姉「一菜」が織りなす学園コメディの第4巻。もともとガチっぽさが希薄な作品ではありましたが、今回は百合コメディというより家族コメディとしての色彩がさらに強くなっている気がします。

『ロロナのアトリエ わたしのたからもの』(草野ほうき、マッグガーデン)感想

PS3ゲーム『ロロナのアトリエ〜アーランドの錬金術師〜』のコミカライゼーション。ストーリーはオリジナルですが、ロロナ、クーデリア、リオネラのうっすら微百合な絆がたいへん美味しゅうございました。

『花伽藍』(中山可穂、角川書店)感想

花伽藍 (角川文庫)作者: 中山可穂出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/05/25メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 10回この商品を含むブログ (3件) を見る極上のレズビアン小説集なんて贅沢な短編集だ、と思いました。圧倒され…

『ストライクウィッチーズ 乙女ノ巻(4)』(南房秀久、角川書店)感想

ストライクウィッチーズ 乙女ノ巻4 (角川スニーカー文庫)作者: 南房 秀久,島田フミカネ,上田梯子出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/06/30メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (9件) を見る擬音語連発のキャ…

百合アンソロジー『百合少女 Vol.2』(コスミック出版)感想

「チョコとミント」(四位広猫)と「溺れる魚」(北尾タキ)の2編がとてもよかったです。ただし、他の収録作には、百合云々以前に漫画として首をかしげてしまうクオリティのものも散見されます。Vol.1に比べ、「古臭い少女漫画」っぽさや「汚れた気持ち」路…

『クイーンズブレイド -Hide&Seek- (5)』(南崎いく、角川書店)感想

女王の座を賭けて戦う女闘士たちの物語、最終巻。ヴァンス3姉妹の愛情劇の熱さが頂点に達しており、非常に面白く読みました。ドロッドロで百合百合で、痛々しいほどに激しい感情の奔流がみごとです。「『尺』という名の魔物」(p. 132)と戦いながらの結末で…

『楽園Le Paradis 第3号』(白泉社)感想

林家志弦さんの特撮系百合コメディ「思春期生命体ベガ」が最っ高です。バカで熱血で鼻血ブーで、かつしっかりラブくてキスもありと、美味しいところがぎっしりでした。ゲストと言わず連載化してくれればいいのになあ。その他の百合/レズビアン作品では、「…

『Candy Boy(1)』(峠比呂[画]/DRN/2008CP[原作]、メディアファクトリー)感想

ほんわかした姉「雪乃」と、そんな雪乃が大好きな妹「奏(かなで)」の双子姉妹百合話。人気アニメのコミカライゼーションですが、アニメとは違う世界観なのだそうです。可愛らしいお話ではありますが、雪乃と奏の関係は、あたしにはちょっとぬるいかなあ。

『とある科学の超電磁砲(5)』(冬川基[画]/鎌池和馬[原作]、アスキー・メディアワークス)感想

人気ライトノベル『とある魔術の禁書目録』のスピンオフコミック第5巻。4巻で明らかになった計画を単身で潰そうとする御坂美琴の戦いがメインです。敵の面々がことごとく強いため、戦闘シーンは常に緊迫感満点。黒子・佐天・初春などが登場しないため、わか…

『ゆるゆり(3)』(なもり、一迅社)感想

「掲載誌『コミック百合姫S』のコンセプトを全否定するあの問題作」「無法者4人と生徒会4人衆が仲良くケンカしな、という感じ」という帯の形容通りの作品です。「CUTE&LOVELY」を標榜する百合姫Sで、敢えてすっとぼけたギャグ漫画でありつづけるところがとて…

『はやて×ブレード(12)』(林家志弦、集英社)感想

乙女と乙女の剣劇(チャンバラ)百合コメディ、第12巻。今回もハチャメチャで面白かったです。大乱奪りの収束のさせ方がちょっとぐだぐだに見えなくもないですが、各ペアの刃友パワーが大変よかったのでオールOKとします。玲・紗枝ペアの見せ場をばーんと作…

『蒼穹のカルマ(5)』(橘公司、富士見書房)感想

蒼穹のカルマ5 (富士見ファンタジア文庫)作者: 橘 公司,森沢晴行出版社/メーカー: 富士見書房発売日: 2010/06/19メディア: 文庫 クリック: 48回この商品を含むブログ (23件) を見る緻密で熱い、節目の巻姪の「在紗」を百合百合しく溺愛する主人公「鷹崎駆真…

『間違ったラノベの作り方』(松林悟、角川書店)感想

ライトノベル作家志望の女子高生「日向霧乃」が、キャラのモデルと決めた「安藤涼葉」、小説の師匠「バラ野マリア」ら共にすったもんだするというギャグ漫画です。百合部分はセクハラギャグが主体で、エロはあっても愛は薄口。ただし、ホモフォビアはほとん…

『ラブフリッカー』(竹宮ジン、一迅社)感想

4月に白泉社から『Girlish Sweetアタシノ彼女』 が出たばかりの竹宮ジンさんの新刊です。恋の歓喜の描写やホモフォビアへの切り返し方が鮮やかで、いいぞいいぞと思いながら読みました。1話ごとに主人公を交代させつつ、俯瞰すると全部のお話がつながってい…

『GIRL FRIENDS(4)』(森永みるく、双葉社)感想

女子高生「あっこ」と「まり」のガーリッシュなラブストーリー、第4巻。ずっと足踏み状態が続いていた2人の恋に、ついに進展が来ましたよ!! ああ、よかった。ここに至ってまだ悶々とすれ違うだけで終わっていたら、時速160kmでちゃぶ台ぶん投げるところで…

漫画『ヤングガン・カルナバル(4)』(佐藤夕子[画]/深見真[原作]、ソフトバンククリエイティブ)感想

人気バイオレンス小説『ヤングガン・カルナバル』の漫画版第4巻です。ストーリーは「バウンド・トゥ・バイオレンス」編、つまりダニエラの物語の続き。百合方面は一旦お休みですが、ヤングガンらしいハードな1冊で、楽しく読みました。

『学園ナイトメア(1)』(方條ゆとり、スクウェア・エニックス)感想

ネットロア(ネット上の都市伝説)から生まれた霊を収集する少女「クロエ」と、ひょんなことからネットロアのひとつに憑かれてしまった少女「キョウ」の物語。百合だ、という噂を聞いて買ってみたのですが、お話が定型的すぎる点と、絵が「顔ばっかり」に見…

『瞳のフォトグラフ(3)』(GUNP(杜講一郎×さくらあかみ)、ソフトバンククリエイティブ)感想

2巻と同じ、「カメラ入門+サイドストーリーとしてのライト百合」路線。写真関係の部分も百合な部分も嫌味なく読めました。激しく百合ん百合んなものを求める方には向きませんが、写真に興味があって、女のコ多めのきゃるるん系な漫画がツボな方には良いかも…

『AIKa ZERO』(アザミユウコ、ワニブックス)感想

お宝目当てでとある学園に潜入した主人公「皇愛華(すめらぎあいか)」が、学園内でひそかに行われていた犯罪をあばくという物語。今さら「ごきげんよう」が飛び交うお嬢様学校(ロザリオもあるよ)という設定も目をひかないし、謎解きも小粒だし、百合方面…

『バージン・ロープ』(速野悠二、秋田書店)感想

特別な縄で妖怪を捕縛する巫女、天野叉絵夢(あまのさえむ)が活躍するドタバタ学園エロコメ。カバー見返しの「ナワとオッパイの読み切りが単行本にまでなりました」という説明そのままのエロエロな作品ながら、意外にも女のコ同士の愛がまともに扱われてい…

『オールド・フレンズ(上・下)』(浅倉卓弥、宝島社)感想

オールド・フレンズ (上)作者: 浅倉卓弥出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2009/07/10メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見るオールド・フレンズ (下)作者: 浅倉卓弥出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2009/07/10メデ…

『猫神やおよろず(1〜3)』(FLIPFLOPs、秋田書店)感想

古物と記憶の守護をつかさどる猫神「繭」を主人公とする和風コメディ。さっくり読めて後味も良い、とても楽しい漫画でした。美少女キャラてんこもりなのに少しもあざとくなく、むしろ「耳袋」のような日本古来の奇譚・怪異譚の味わいがあるところがよかった…