ドラマ『スーパーガール』マギー・ソーヤー登場回（2x03）があまりにも（レズビアン的に）ホットだと一部で話題に

米ドラマ『スーパーガール』S2E3がえらいことになってます。シーズン前の下馬評通り、主人公カーラの姉アレックスと、マギー・ソーヤー刑事の間にものすっごいケミストリーが生じてるのよ！　何この映画『キャロル』並みの濃厚なサブテキストは！！！！

この回のリキャップは、以下をどうぞ。（リンク先ネタバレあり）

Superqueero Roundup Recap: Maggie Sawyer And Alex Danvers Walk Into A Gaylien Bar | Autostraddle

上記リキャップを読んですぐ、米iTunes Storeでダウンロード購入したやつを見たんですが、いやあすごかった。マギー・ソーヤー（フロリアナ・リマ）はもともとオープンリー・レズビアンのDCキャラとして他作品で活躍しているキャラなんですが、本作品でもセクシュアリティをまったく隠していないし、タフでかっこいいし、アレックス（カイラー・リー）じゃなくても惚れるわあんな人！

アレックスがマギーに魅かれていく（と断言しちゃうよもう）プロセスの描き方も、とても丁寧でよかったです。初対面のふたりの衝突から和解、協力、そして最後の超思わせぶりな会話場面に至るまで、「こいつ、やるな」とか「ひょっとして口説かれてるんだろうか」とか「もっとそばにいたい」とかいう感情が、全部キャラの行動を通して説明されていて、心憎いったらありゃしません。特筆すべきは、最後のダイアローグでマギーからとある爆弾発言をかまされたところのアレックスの顔と体の表情。ここで！　もう！　完全に落ちてるねアレックス！　やるわねマギー姐さん！！！！！！　もう今後の展開が楽しみで楽しみで。

ちなみに次週（S2E4）は、マギーとアレックスが仮面舞踏会みたいなマスク着用で地下闘技場に潜入するシーンがあるらしいんですよ。以下の予告動画だけで、もう世界中のファンガールが大盛り上がりですよ。

S2E3で他によかったのは、マギーとアレックスの黒一色のパンツスタイル（マギーは革ジャン、アレックスはスーツ）から、終始クールな色気がこれでもかとばかりに醸し出されているところ。フィクションにおける女性の色気って、むやみに衣装の面積減らして乳だの尻だの太ももだのを露出しなくたっていくらでも描けるはずだと前々から思ってるんですが、この『スーパーガール』はその証左と呼びうる作品だと思います。考えてみれば本作品では主人公のスーパーガールの衣装だって、ピチピチにタイトでもなければ露出面積が多くもなく、既存の女性スーパーヒーローとはずいぶん違ってますよね。それでいて十分魅力的だし、さすがにレズビアンがエグゼクティブ・プロデューサーと脚本やってる番組は一味違うわ。もっと増えてほしいですこういう作品。

最後に、マギー・ソーヤーをラティーナという設定にしたことが、単なる多様性アピールのためではなく、シーズン全体（おそらく）のテーマとがっちりつながっているところにも強く心を揺さぶられました。異星人と地球人の対立をモチーフに、現実のこの世界で今起きてる移民問題を真正面から描いてるんですよ、このドラマは。以下、マギーが異星人に肩入れする理由についてアレックス相手に語る台詞があまりによかったので、ちょっと訳してみました。以下、言うまでもなくネタバレです。

「ネブラスカのブルースプリングスで非白人の非ヘテロとして育ったからね、あたしはまるで火星人みたいなもんだった。のけ者だったし、自分でもそう感じてた。われらが異星人の隣人たちも、ちっとも変わりゃしないよ。たいていの異星人は勤勉な移民か、単になんとかして生き残ろうとしているだけの難民だ。彼らは生きるために自分の本当の姿を隠さなきゃならない。あたしはそこに共感できる」
"Growing up a non-white, non-straight girl, in Blue Springs, Nebraska, I might as well been from Mars. I was an outcast, and I felt like it. Out alien neighbors, they are no different. Most of them are hardworking immigrants, or refugees just trying to get by. They have to hide who they are in order to survive. I can sympathize with that."

同じくド田舎の非ヘテロ少女だった自分の経験と重ね合わせて思わずじんとしてしまいましたし、マギー・ソーヤーのレズビアン設定が、単に色恋だけではなくこういうところに生かされているところもとてもうれしかったです。やっぱり見逃せないわ、このシリーズ。日本でも早くシーズン2の放映／配信を！！